管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の「I(アイ)」、すなわち属性情報の活用が重要と言われ続けながら、なかなか実践できずにいました。
ところが最近、「正確な数量算出」や「属性情報の保持」といったBIMのデータベース的価値を生かす動きが進んできたようです。
その1つが2018年9月5日に発足した「BIM-ECコンソーシアム」です。BIMとEC(電子商取引)を組み合わせることで、設計から積算、入札、発注までの一連の業務を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMでワンストップ化
することで、スピーディーな取引やコスト削減を目指す団体なのです。
メンバーには、建材メーカーやソフトベンダーのほか、家電メーカーや金融機関、設計事務所、人材派遣会社まで、業界を超えてBIMへの期待を持つ企業が結集していることがうかがえます。
同コンソーシアムが対象とする分野は、積算や発注・納品、維持管理と、これまでのBIM活用であまり注目されてこなかった部分です。
活動・研究内容は、建材のECやBIMとECの連携、運用ルールなどで、BIM-ECが実現することでスピーディーな取引やコスト削減、フロントローディングの加速、発注者に対する情報の透明化などが期待されます。
日本の建築業界でデジタル化が遅れている理由は、建築物は一品生産でデータ化が積極的に行われなかったことや、設計・施工・維持管理といった建設フェーズ間で情報がうまく引き継がれなかったことなどがあります。
その点、BIMならば属性情報を含めて後工程にデジタルデータを引き継いでいきやすいですね。
今後、業界関係者間でBIMデータの有効活用について議論や実証実験を行い、受発注分野での活用を目指していく予定です。
BIM-ECコンソーシアムの代表幹事には、
スターツコーポレーション
の関戸博高氏が務めます。
スターツグループといえば、最近、BIMデータによる建築確認申請や積算の大幅効率化などを実現し、BIMによるワークフローを着々と広げていることで注目されます。(当ブログ2018年9月6日の記事参照)
BIMは今後、業界をまたいだデータの共有や、設計・施工・維持管理の各業務における業務の自動化、さらにはAI(人工知能)やロボットの導入による省人化などの面で進化していきそうですね。