管理人のイエイリです。
ビルを運営していくためには、多くの裏方さんの存在があります。
しかし、少子高齢化による生産年齢人口の減少が進む日本では今後、必要な人員を確保するのが難しくなってきそうです。
そこで三菱地所は、横浜ランドマークタワーで今、画期的な実験を行っています。
延べ床面積約40万m2、高さ296mという広大なこのビル内で2018年9月3日~16日までの2週間、警備、清掃、運搬の仕事に
ナ、ナ、ナ、ナント、
AI搭載の様々なロボット
を導入し、人間の代わりに働かせようという実証実験なのです。(三菱地所のプレスリリースはこちら)
まず、ランドマークタワーのオフィスフロアや商業施設のあるランドマークプラザの巡回警備を担うのは、日本のベンチャー企業、SEQSENSE社の自律移動型ロボット「SQ II」です。
3Dレーザーセンサーを活用して周囲の3次元空間を認識しながら立体地図を作成する機能を持っています。巡回のたびに立体地図を作成し、前回との差分を求めることで環境の変化を自動的に検出し、異常を発見します。
実証実験の間、実際に警備員を1人減らして、検証するそうです。ロボットの導入で無理なく減員できることがわかれば、警備の省人化に向けて大きな一歩となりそうですね。
また、清掃を担うのはカナダのAVIDBOTS社が開発し、マクニカが販売するロボット「Neo」です。自動運転によって広い範囲を無人清掃できます。
遠隔操作でリアルタイムに作業状況を確認する機能が付いており、均質な清掃品質を保ったうえで、省人化を期待できます。
そして、運搬を担うのはドイツ・Deutsche Post AG社の「PostBOT」と、フランス・Effidence社の「EffiBOT」というロボットです。
人の後について走る追尾運転機能と、無人で走行する自動走行機能を持っており
最大積載重量は150kg
と、多くの荷物を運ぶことができます。
今回の実証実験は、大勢の人が行き交う横浜ランドマークタワーの中で、ロボットを活用するための課題を洗い出し、本格導入に向けた知見を蓄積するために行われます。
三菱地所はロボット活用の先進的企業で、これまでも本社での受け付け案内業務やドローンによる地域冷暖房トンネルの点検、そしてロボット開発会社のSEQSENSE社への出資などを行ってきました。
今回の実験によって、ロボットと人間が共存する次世代型の施設運営管理の実現に、一歩近づきそうですね。そして、ビルや商業施設のデザインや設備も、ロボットにやさしい“ロボ・フレンドリー”なものになっていくのではないでしょうか。