生産性8割向上!鹿島が照明の測定・調整作業をロボットで無人化
2019年10月3日

管理人のイエイリです。

建築工事の完成直前には、様々な機器の試運転や調整を行います。なかでも天井の照明設備の調整は、太陽光の影響を防ぐため、夜中に作業しないといけないので大変です。

膨大な数の照明設備を1つ1つ、机上面や床面の照度が設計値通りになるように、検査・調整していくので、現場管理者にとっては大きな負担となっていました。

そこで、鹿島はこの作業を無人で行ってくれるロボットを開発しました。

照明設備の照度測定から調整作業までを行ってくれるロボット(以下の写真、資料:鹿島)

照明設備の照度測定から調整作業までを行ってくれるロボット(以下の写真、資料:鹿島)

部屋の中を動き回りながら照度を測定し、照明設備の明るさセンサーに送信することで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

照度調整まで

をワンストップで行ってくれるのです。(鹿島のプレスリリースはこちら

部屋の中を無人で動き回るロボット

部屋の中を無人で動き回るロボット

走行ルートは自動的に決定する

走行ルートは自動的に決定する

ロボット大きさは長さ600mm×幅500mm×高さ450mmで、本体質量は22kg。最高速度は毎秒1.0mです。

走行ルートは、測定する範囲にある照明と照度センサーの位置を図面データから読み込み、自動的に決定します。

照度計を搭載したアームが上下して、床面から机上面の高さ(800mm)までの任意の高さでの照度を自動測定します。1カ所の測定には2秒くらいしかかかりません。

そのデータは照明制御システムに送信され、目標照度に調整するというわけです。非常照明の場合は床面レベルで照度測定を行います。測定したデータは、品質記録として出力することもできます。

 

床面の照度を測定しているところ

床面の照度を測定しているところ

 

ロボットには、壁までの距離を計測して位置を認識する「レーザーレンジファインダー」が搭載されているため、正確な位置での照度測定が行えます。

走行ルート上に障害物があった場合には、それを回避して再び走行ルートに戻ります。

アームに搭載された照度測定用のセンサーと障害物検知用のレーザーレンジファインダー

アームに搭載された照度測定用のセンサーと障害物検知用のレーザーレンジファインダー

障害物を迂回(うかい)した後は、自動的にもとのルートに戻る

障害物を迂回(うかい)した後は、自動的にもとのルートに戻る

このロボットを愛知県と大阪府内で施工中の現場で使用したところ、照度測定の機能は熟練作業者と同等の結果が得られました。

そして、作業人数は従来に比べて

約80%も削減

することができたのです。

このロボットは「作業の半分はロボットと」をコアコンセプトとする「鹿島スマート生産ビジョン」(2018年11月27日付けの当ブログ記事を参照)の一環として開発されました。

鹿島は今後、このロボットの用途を騒音や温湿度測定などにも広げて、設備機器の性能検証作業をさらに省力化していくことを目指しています。

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