3Dレーザースキャナーで計測した配管やダクトなど細かい設備の点群データを、現況BIMモデル化するとき、これまではBIMモデルに点群を読み込み、“3Dトレース”するのが一般的でした。
これはとても手間ひまがかかる作業です。
そこでエリジオンは、同社の点群処理ソフト「InfiPoints」の最新版「Ver.6」に、配管などの点群データをBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト「Revit」上で効率的にBIMモデル化する機能を搭載しました。
InfiPointsで点群を3Dモデル化した後、
ナ、ナ、ナ、ナント、
Revitモデルに変換
し、Revitに受け渡すことで、BIMモデル化の時間を短縮する機能なのです。(エリジオンのプレスリリースはこちら)
その手順は、InfiPointsでまず点群を開き、円柱や平面を自動抽出して“あらあらな”3Dモデルに変換します。
それをRevit形式のデータに書き出して、Revitに引き継ぎ、後はRevit上で細かい形状や接続部などを編集したり、部材を追加したりします。
点群を単なる形だけではなく、長さや径などをRevitで編集できるデータとして出力し、配管の規格などを属性情報として受け渡すことも可能です。
すでに形状の多くが出来上がった状態から、Revitでのモデリング作業が行えるので、現場のBIMモデルを短時間で作成できます。
点群からRevitへ InfiPoints Revit出力オプション | Elysium(動画:YouTubeより)
このほか、3Dレーザースキャナーの「死角」であるスキャナー本体直下部分の
点群の穴を自動で埋める
機能が新たに搭載されました。
点群から設備を撤去するシミュレーションで、一部の点群を消したときにできる穴も自動的に埋めてくれるので、手間をかけずに見栄えのよい点群が作れます。
さらに点群の計測作業中に通りかかった人の模様を消したり、暗く見える点群を明るくしたりするなど、色を自動補正する機能も追加されました。
このほか、点群を3Dモデル化する際に細かい凹凸や「バリ」のない高品質なポリゴン(面)を生成する機能アップや、VR(バーチャルリアリティー)で点群を見る機器として、HTC
Viveが追加されました。
実際の現場をパソコンに取り込み、編集可能なBIMモデルにする作業はこれまで、手作業が多かったですがだんだんとAI(人工知能)的な機能によって自動化へと近づきつつありますね。
これからの建設業で大きな課題となる人手不足問題を乗り切るためにも、こうした自動化はますます重要になってくるでしょう。