管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの3Dモデルや動画などで、サーバーやハードディスクの容量がいっぱいということでお悩みの方も多いでしょう。
あまり使わないデータはいったん、ブルーレイディスクやDVDなどに書き出して保存しておこうかと思っても、数テラバイトもある巨大なハードディスクのデータを、数ギガバイトずつちまちまと書き出すのは、あまりにも非効率です。
そこで、あのソニーが画期的な光ディスクシステムを2020年1月に発売することになりました。「オプティカルディスク・アーカイブ第3世代」の光学ドライブユニットと、データを保存するカートリッジで、カートリッジの記録容量は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
1個で5.5TBもある
のです。(ソニーのプレスリリースはこちら)
これだけ容量があれば、NAS(ネットワーク接続型ハードディスク)を丸ごと保存しておく作業も楽勝ですね。
カートリッジの中には、業務用次世代光ディスク規格「アーカイバル・ディスク」の記録密度を高め、1枚で500GBのデータを記録できるディスクが11枚収納されています。
一度、書き込むと書き換えができないライトワンス記録方式のため、データ改ざんができず、安全にデータを保存できます。
ディスクの記録膜や保護膜に酸化物を採用しているので耐久性に優れ、カートリッジ内部に保存されているので密閉性も高くなっています。
そのため、粉塵や紫外線、電磁波や水災害などの外的要因や、温度や湿度の変化にも強いので、メディアの寿命は100年以上と推定されています。
また、カートリッジのデータを読み書きするドライブユニットは、「ODS-D380U」と「ODS-D380F」があり、データの平均転送速度は読み出し時が3Gbps(375MB/S)、書き込み時が1.5Gbps(187.5MB/S)と高速になっています。
しかし、「データが100年以上もつと言っても、肝心のドライブがそんなにもたなかったら、意味ないじゃん」という声も聞こえてきそうです。
でも、ご安心ください。オプティカルディスク・アーカイブは、
世代間の互換性を保持
しているため、機器の進化によるデータ移行を必要としないとのことです。
ソニーは、これらのディスクやドライブユニットを収納するライブラリーシステム「PetaSite EX ソリューション」も、米国のQualstar(クアルスター)社と共同開発しています。
1ライブラリー当たりの容量は最大約50PB(ペタバイト=1000TB)となり、これを拡張していくと数百ペタバイト以上のシステムも構築できます。ドライブのうち「ODS-D380F」がこのシステムに対応しています。
光ディスクカートリッジはハードディスクなどのように、常時、通電する必要がないのでデータセンターの電力消費の大幅削減にも貢献するので、データの大量収集・保存時代には重宝されそうですね。
気になるお値段ですが、市場推定価格(税別)は、カートリッジ「ODC5500R(追記型)」が約2万7000円、ドライブユニットの「ODS-D380U」が約140万円、同「ODS-D380F」が約198万円とのことです。
なお光ディスクとドライブシステムは、昨日(2019年11月13日)から15日まで千葉・幕張メッセで開催中の「2019年国際放送機器展(Inter BEE 2019)」に展示されているとのことです。気になる方は現物を確かめてみてはいかがでしょうか。