管理人のイエイリです。
下の写真は、鹿島が神奈川県内で施工する首都高速 横浜環状南線 釜利谷ジャンクション Cランプトンネル工事(発注:東日本高速道路関東支社)の現場で撮影されたものですが、よく見ると右下の方になんやら見慣れないものが写っています。
黄色の円内に写っているものは、ソフトバンク傘下のロボット開発企業、ボストン・ダイナミクス社(Boston Dynamics)が開発した「Spot」というもので、
ナ、ナ、ナ、ナント、
四つ足で歩行する
ロボットなのです。(鹿島のプレスリリースはこちら)
鹿島は2018年11月に、土木工事の現場でSpotが使えるかどうかを見極めるための実証実験を、このトンネル現場で行いました。
実験では360度カメラを搭載したSpotを、制御室から遠隔操作して、掘削最前線の岩盤面(切羽=きりは)の写真撮影や、ポンプのメーターなどの計器点検を行いました。
さらにあらかじめ設定したルートに沿って自律歩行させてトンネル内の巡視も行いました。
その結果をもとに改良を行い、トンネル内の路盤でも不自由なく歩行できるようになったのです。
そして鹿島はSpotを土木工事現場で活用することを目指して、2019年12月に、
世界で初めて導入
したのです。
鹿島は今後、トンネル工事現場での坑内測量業務や安全管理のための巡視などの実証実験を行います。
また、四つ足歩行の特性を生かして、急傾斜地滑り地帯での調査・測量などの危険作業などにも活用を広げていくことを検討しています。
日本では、15~64歳の生産年齢人口が1990年代から減少を続けており、今後も数十年にわたって減少していきます。
そのため、かつての人海戦術による工事はもはや不可能になりつつあります。Spotは、これまで新人がになってきた“現場のパシリ”から、危険作業まで幅広い業務をこなせるので、期待の星といっても過言ではなさそうですね。