管理人のイエイリです。
最近、雨が激しく降るようになり、大規模な水害が毎年のように日本のどこかで起こるようになりました。
河川内の工事現場では、突然、水位が高まって資機材が流されるなどの被害も出ています。
しかし、心配のあまり雨が降るとすぐに作業を中止したりすると、今度は工事が進まなくなって困りますね。
そこで鹿島は、河川工事用に高精度で水位を予測するシステムを開発しました。
上流の雨量データや水位のデータを収集し、クラウドサーバーで
ナ、ナ、ナ、ナント、
6時間後の水位
を高精度に予測し、スマートフォンやパソコンに送ってくれるシステムなのです。(鹿島のプレスリリースはこちら)
このシステムは、構造計画研究所(本社:東京都中野区)が提供するリアルタイム洪水予測システム「RiverCast」をカスタマイズしたものです。
施工管理者が作業の可否や避難を判断しやすいように水位や流量は、「潜水作業が可能なレベル」、「台船作業が可能なレベル」、「作業を一時停止するレベル」、「避難判断レベル」というように表示されます。
画面には水位・流量が各レベルを超える確率が表示され、各レベルを超えることが予測されると登録者へメールで通知します
最近はAI(人工知能)の「ディープラーニング」を使って、水位を予測する手法も実用化されていますが、数多くの「教師データ」が必要でした。
その点、今回、開発したシステムは構造計画研究所と東京大学が共同開発した予測手法を使っており、少数のデータからでも高精度の予測が可能です。
そのため、これまで
未経験だった高い水位
でも予測できるのです。
このシステムは2019年10月から、鹿島が新潟県長岡市内で施工中の大河津分水路新第二床固改築Ⅰ期工事で使用しており、実測水位と予測水位を比較したところ、大きな誤差がないことが確認されています。
6時間先の水位が読めると、何時に現場の撤収を始めたらいいのかといった計画を事前に立てられるので、工程と安全という相反するものを、しっかり管理できそうですね。