管理人のイエイリです。
最近、YouTubeにレトロな建物のCG映像が投稿されました。下の画像はそのキャプチャーです。
この重厚感ある建物は残念ながら、現在まで存在したことはありません。では、いったい何なのかというと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
神戸市公会堂
の設計コンペで2等に入賞した山本延次氏の作品なのです。
大阪・中之島には大阪市公会堂(通称:中之島公会堂)というレンガ造の由緒ある建物があります。
神戸市も大正期に入って、“念願の”公会堂を大倉山(現在のJR神戸駅から北に約1km)に建設しようと、大正11年~12年(1922~1923年)に設計コンペを行いました。しかし、その後、戦局の悪化などで建設には至りませんでした。
そこで失われた建築をCGで再現することを趣味にしている竹田眞氏が、当時の設計図をもとに「SketchUp」で3Dモデル化し、さらに風や天気などの効果を与えるソフト「Twinmotion」でリアリティーあふれるCG作品に仕上げました。
このほか、コンペで1等を受賞した前田健二郎・岡田捷五郎氏の作品や、3等を受賞した須藤貞雄氏の作品もCG化されています。
これらの作品は、竹田眞氏のYouTubeチャンネルで、「まぼろしの神戸市公会堂をCGで再現してみた」という動画で紹介されています。
「まぼろしの神戸市公会堂をCGで再現してみた」(動画:竹田眞氏のYouTubeチャンネルより)
そして、このYouTubeチャンネルには、このほか
大正から昭和初期
にかけて建てられた三宮警察署や三菱銀行三宮支店や、三宮神社周辺の街並みをCG化した動画も掲載されており、作者の“神戸愛”が感じられます。
昔の図面を見ると時間が止まったように感じられますが、同じ情報をVRやCGにしてみると、ぐっと身近に感じられ、当時の人々の生活や気持ちにまで思いが行くようになるので不思議ですね。