管理人のイエイリです。
今回の新型コロナ禍をきっかけに、新しい生活様式の実践は今後の生活に欠かせないものになりました。それに伴い、病院などの医療施設にも感染症対策のための“新しい設計様式”が求められています。
そこで設備工事大手の新菱冷熱工業では、営業担当者と設計者による「換気見直しチーム」をチームを編成し、病院内の環境をより安全に保つ換気の見直し提案を進めて行くことになりました。
目に見えない新型コロナウイルスを、人間から効果的に遠ざけるための対策を立案する武器となるのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
数値流体シミュレーション
なのです。(新菱冷熱工業のプレスリリースはこちら)
新型コロナウイルス感染症の拡大で、病院などでは安全な空気環境を保持することが喫緊の課題となりました。
その中でも換気は、「3密」の1つである「密閉」を改善するために重要です。そこで換気見直しチームでは、気流や温度分布などをコンピューター上で再現する数値流体シミュレーション(CFD)の手法を使って、現状の換気状態を再現します。
CFDはこれまで、多数のサーバーを収納したデータセンターの効率的な空調計画や、建物の自然換気の計画などに使われてきましたが、くしゃみやせきで発生する微小な液体や固体からなる「エアロゾル粒子」の濃度分布もシミュレーションすることができます。
そして、院内空気の「よどみ」を見つけて、より効果的に空気を入れ替えるリニューアル計画を提案します。ウイルスがじっととどまる空間を与えず、気流や“渦”に巻き込んで徹底排出しようというわけですね。
同社はこのほか、建物全体の圧力バランスを保ちつつ、各部屋や通路の気圧を調整することで、汚染物質の室外流出や流入を防止する「室圧制御システム構築技術」や、感染症対策用の装置を持っています。
例えば、診察室では患者をプッシュ装置とプル装置ではさみ、周囲に気流を作って捕捉した病原体をHEPAフィルターで除去する「診察室用簡易プッシュプル装置(クリーンパーティション)」という装置もあります。工事はいらず、この装置を置くだけで病原体曝露量が5%以下に抑えられるとのことです。
また、問診室の感染対策技術では、では医師と患者をスクリーンで遮断し、医師側に清浄な空気を供給することで、安全性の高い問診ができるものがあります。
このほか、病室と廊下の間に0.3m/s以下の風を一方向に流す
エアカーテン
を設けて、ウイルスなどの移動を防ぐ「SEPAREA(セパレア)」という技術もあります。これにより、清浄エリアの病原体濃度を汚染エリアの10分の1以下に維持できるとのことです。
スーパーなどの商業施設や役所、銀行などの窓口では、至るところで感染予防のための透明シートを設置して風景を目にしますが、あくまでも応急的なものと言えるでしょう。
換気見直しチームのメンバーは全員、新型コロナウイルスの感染経路や空調設備とのかかわりなどの知識を事前に学んだうえ、業務に取り組んでいるとのことです。
今後は目に見えない気流もCFDなどで可視化して対策を行うことが、アフターコロナの“新しい設計様式”として求められていくのかもしれませんね。