管理人のイエイリです。
地上用の3Dレーザースキャナーは三脚に取り付け、スイッチを入れると360°旋回しながら周囲の3D点群データを取得します。
ところが海外では、地上用の3Dスキャナーをクルマの屋根などに固定し、走行しながら街路周辺を3D計測する「MMS(モービルマッピングシステム)」として使ったシステムもよく使われています。
3DレーザースキャナーメーカーのFAROは、こうした使い方をさらに広げる新製品「FARO Focus Swift」を2020年7月21日に発売しました。
同社の3Dレーザースキャナー「Focus 3D」を
ナ、ナ、ナ、ナント、
タイヤ付き3輪車
に乗せて、手押し移動できるようにしたものなのです。(FAROのプレスリリースはこちら)
これまで、広い室内を3D計測するためには、複数の場所に3Dスキャナーを据え付けて、点群計測しては移動するという面倒な作業がありました。
ところがこのシステムは、3輪車を押しながら室内を移動すると、MMSのように周囲の点群を取得してくれるのです。移動時は毎秒100万点の点群を計測し、その精度は2~10mmとのことです。
驚くべきは作業効率の高さです。従来の据え置き型の3Dレーザースキャナーだと1時間以上かかる計測も、「Focus Swift」だと約6分で完了します。
つまり、
作業効率は10倍
にもアップするのです。
また、精度が必要な場所ではそこに停止して、据え置き型の3Dスキャナーとしても使えます。その時は、毎秒200万点の点群を計測します。
システム全体の重量は17.5kgで、付属のカーボンファイバー製三脚と3輪車は折りたたみ、機内持ち込みサイズのケース2つに収めることができます。
新型コロナウイルスの感染予防で、工事現場で行われる作業のテレワーク化が求められています。現場の最新データをクラウドで共有するとき、360°パノラマ写真やデプスカメラではちょっと精度が足りないというとき、3Dスキャナーでスピーディーに現場計測できる「Focus Swift」は便利に使えそうですね。