発注者の立会検査をテレワーク化! エコモットと中山組が遠隔システムを開発
2020年8月4日

管理人のイエイリです。

公共事業で、数多くの現場を担当する発注者側の監督官には、工事の要所要所で行われる立会検査に行ったり来たりと、大変な移動量があります。移動中に、他の業務を行うことは難しいですよね。

こうした発注者の業務を効率化しようと、エコモット(本社:札幌市中央区)と中山組(本社:札幌市東区)は、現場検査特化型 遠隔臨場システム「Gリポート」を共同開発し、2020年7月に提供を開始しました。

発注者側の監督官の立会検査を

ナ、ナ、ナ、ナント、

テレワーク化

することができるのです。(エコモットのプレスリリースはこちら

遠隔臨場システム「Gリポート」の使用イメージ(以下の資料、写真:エコモット)

この製品は、Androidスマートフォン、3軸ジンバル、ワイヤレスヘッドセットで構成されます。

スマホには専用アプリがインストールされており、高速通信ネットワークを経由して現場の映像と音声を高精細かつ滑らかに中継できるので、遠隔地とのリアルタイムな相互コミュニケーションが可能になります。

3軸ジンバルにAndroidスマホを取り付け、現場から映像や音声を送る

現場で使いやすいシステムにするため、中山組が現場で培った豊富な知見をもとに、立会検査をテレワーク化するために必要な要件を徹底的に洗い出し、シミュレーションしました。

その結果、既存のカメラを使った遠隔臨場システムと比べて、イライラすることのない使いやすさが実現しました。

例えば、3軸ジンバルを使ったハンディ撮影スタイルの導入です。監督官が見ている配信映像を、撮影者自身が確認しながら会話できるので、「もうちょっと右」「もっと近寄って」など、画角調整時に起こりがちなムダなコミュニケショーンがなくなりました。

また、時には寸法確認のため、メジャーの目盛りをミリ単位で読み取る必要も出てきます。

ヘルメットにウエアラブルカメラを取り付けた方式だと、撮影者がかがんだり移動したりしてメジャーに“近接”する必要があって、危険を伴うこともあります。

その点、3軸ジンバルによる撮影は、手を伸ばせばいいだけなので楽で手ぶれのない映像をスピーディーに送れます。

ウエアラブルカメラを使った方式(右)だと、メジャーの目盛りを読むためにかがむ必要があったが、3軸ジンバル方式(左)だと楽に撮影できる

発注者も鮮明な映像に納得

また、現場を撮影する「アウトカメラ」と自撮り用の「インカメラ」への切り替えもワンタッチで行えます。検査の開始、終了時には自分の表情を映すことにより、発注者も安心できます。

アウトカメラとインカメラの切り替えもワンタッチ

発注者は自分のパソコンに検査記録として映像や画像を保存することができ、Windows10のパソコンやブラウザーのGoogle Chromeで再生することができるので、これまた安心ですね。

また、現場からの映像や音声が途切れにくくするために、通信環境に合わせてデータサイズを自動調整する機能ももっています。

さらに、Androidスマホは「Gリポート」専用になっており、アプリを立ち上げてから検査側のパソコンまで、

数秒で接続可能

になっています。

せっかく、テレワークで立会検査をしてあげようと待ってくれている監督官の前で、現場側でモタモタすると、それだけで心証が悪くなってしまいます。

そんなことまで配慮して、使いやすさに徹するため、あえて専用機とした背景には、中山組の経験が生かされているのでしょうか。

人手不足について、発注者側の苦労はあまり伝わってきませんが、立会検査のテレワーク化が進むと発注者の働き方改革にもつながりそうですね。

諸元

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