首都高・都心環状線をデジタルツイン化! 目的は“世界最難”の自動運転だった
2020年9月17日

管理人のイエイリです。

一般の高速道路から首都高速に入ってくると、緊張度が一気に高まります。

多数のクルマが入り乱れて走る道路に突然、急カーブが現れたり、左右からクルマが合流してきたり、目的の出口に行くために短距離の間で多くの車線変更が必要だったりと、気が休まるヒマがありません。

中でも、東京の中心部を一周する都心環状線(C1)は、世界でも最も難易度が高い高速道路の一つと言われています。

この道路に着目した英国のrFproという会社は、都心環状線の内回り線を3Dモデルでリアルに再現しました。

3Dで再現された首都高・都心環状線の急カーブ(以下の資料:rFpro)

都心環状線らしい急勾配と複雑な合流

道路標識もホンモノそっくり

この3Dモデルはゲーム用に作られたのかと思いきや、

ナ、ナ、ナ、ナント、

首都高のデジタルツイン

として、最高のリアリティーを追究して作られたものなのです。(rFproの英文プレスリリースはこちら

デジタルツインなので、路面や車両、道路付属物などはきっちり区別されて作られている

標識やクルマなどは、それぞれ認識できるようになっている

周辺の街並みもリアルに再現

ETC専用と一般用に分けられた料金所の入り口

内回り線を忠実にデジタルツイン(デジタルの双子)として再現したこのモデルは、3Dレーザースキャナーで計測した点群データなどを元に、ミリ単位の精度で形状が再現されています。

また、膨大な数の道路標識や路面のマーキング、道路脇の付属物などは、それぞれ「オブジェクト」として分類されています。

道路上を走る車両の種類や色、速度、交通密度などを変えたり、天気や太陽の位置を変えたりして、様々な交通状態を作り出すこともできます。

それではなぜ、このような精密なデジタルツインが作られたのでしょうか。

その目的は、

自動運転車の開発

にあります。

自動運転車の試作車をいきなり実際の道路で走らせて実験するのは、さすがにリスクが高すぎます。

そこでまずはバーチャルな道路上で様々な状況を再現し、自動運転車の制御システムがそれに対応できるかどうかをテストできるようにするために、このデジタルツインが作られました。

rFproは自動運転用のシミュレーションソフトを開発している企業で、顧客にはトヨタ自動車や本田技研工業、デンソーなどの日本企業のほか、世界の名だたる自動車関連メーカーが名を連ねています。

将来、都心環状線を自動運転で走れるようになると、リラックスして都心のドライブを楽しめるようになりそうですね。

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