ドローンで風力設備を自動点検! JパワーとKDDIが“テレワーク点検”への第一歩
2020年10月8日

管理人のイエイリです。

クリーンな再生可能エネルギーとして風力発電が注目を集める一方で、課題となっているのは、風力発電機のブレードをどう点検するかです。

風が少ない夏場に、足場のない曲面のブレードに作業員がロープにぶら下がって目視点検したり、熟練パイロットがドローンを近接飛行させて写真撮影を行ったりして点検しますが、高度な技術が要求されるので人員確保が難しいのです。

こうした問題を解決しようと、電源開発(以下、Jパワー)とKDDIは風力発電機の自動点検を実用化する取り組みを進めています。

その方法とは、ブレードに沿って

ナ、ナ、ナ、ナント、

ドローンを自律飛行

させて、写真を自動的に撮影するという画期的なものなのです。(JパワーとKDDIのプレスリリースはこちら

ドローンによる風力発電機の自動点検(以下の写真、資料:Jパワー、KDDI)

その実証実験は、2020年9月1日から同30日まで、Jパワー苫前ウィンビラ発電所(北海道苫前町)など2カ所で行われました。

実験ではドローンベース(本社:青森県南部町)のオートフライトを搭載したドローンを使い、停止中の風力発電機のブレードに沿って自動的に飛行させ、遠隔操作による写真撮影を行いました。

その結果、ブレード3枚をそれぞれ4方向から撮影するなど、タワーも含めて風力発電機全体を約20分で漏れなく撮影できました。従来の点検方法に比べて、時間は10分の1程度に短縮されました。

またオートフライト技術を利用することで、ドローン操縦の高度な技術は不要となり、現地のメンテナンス要員自身が簡単にブレードを点検できることもわかりました。

オートフライトソフトで自律飛行するドローン

遠隔撮影されたブレードの写真

撮影された写真は高精細で、高所作業によって接写した写真と比べても遜色のない品質でした。

画像解析ソフトによって損傷箇所の解析を行うこともできました。その結果、従来の高所作業を、ドローンによる自動点検に切り替えられることを検証できました。

しかし、今回の実験は将来の向けての第一歩に過ぎません。

今後、両社はドローンやLPWA(低電力の遠距離通信)技術などを活用して保全業務をデジタルトランスフォーメーション(DX)化するほか、AI(人工知能)による分析やドローンの

目視外飛行や遠隔操作

などの取り組みを進めていきます。

風力発電所の点検業務の将来像

そうなると、将来はドローンの操縦や施設の点検もテレワークでできそうですね。膨大な数の風力発電所も、スピーディーに点検や維持管理ができ、働き方改革も実現できそうです。

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