鴻池組が建築に“ICT土工”を導入! GLOOBEデータを基礎掘削に活用
2020年12月11日

管理人のイエイリです。

鴻池組は2021年11月のオープンを目指し、大阪市住之江区に自社の新研究施設「KONOIKEテクノセンター(仮称)」を施工中です。

設計にはもちろん、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用しています。

「KONOIKEテクノセンター(仮称)」の完成予想図(資料:鴻池組)

現場で行われた基礎の掘削工事(以下の資料:福井コンピュータアーキテクト)

現場ではこのほど、基礎の掘削工事が行われました。一見、何気なくバックホーが掘っているようですが、

ナ、ナ、ナ、ナント、

3Dマシンコントロール

によって施工されたのです。(福井コンピュータアーキテクトのプレスリリースはこちら

バックホーの運転席に備え付けられたモニター画面。掘削仕上げ面とバックホーのバケット位置などが表示されている

掘削用のデータ作成に使われたのは、福井コンピュータアーキテクトが2020年11月18日に発売した施工BIM用のソフト「GLOOBE Construction」です。

鴻池組が作成したBIMモデルをもとに、「GLOOBE Construction」で掘削データを作成し、地形情報用のデータ交換フォーマット「LandXML」データに書き出しました。

そのデータを、日立建機の3Dマシンコントロール付きのICTバックホー「ZAXIS135USX-6」にインプットして掘削を行ったのです。

BIMモデルをもとに「GLOOBE Construction」で掘削データを作成した

これまでも建築工事の基礎掘削にICT建機が使われた例はありましたが、BIMモデルから掘削用のデータを作成するには、何度も修正や変換を行うなどの手作業が必要でした。

それが日立建機と福井コンピュータアーキテクトの連携により、ICT建機とBIMモデルデータとの連携強化が実現し、掘削データ作成がワンタッチで行えるようになったのです。

LandXMLのコマンド

建築の基礎掘削のボリュームは、土木工事に比べて非常に小さいですが、その分、仕上げ面を常に意識して掘削する必要があります。

そこに3Dマシンコントロールを導入すれば、丁張りや補助員もいらず、楽にスピーディーな施工ができそうです。

今後はドローン(無人機)で現場を測量したデータを、福井コンピュータの点群処理用ソフト「TREND-POINT」に取り込み、点群データを

GLOOBE Construction

へ連携して、測量から土工計画、掘削作業までの一連業務をスムーズに行うことも計画しています。

点群処理システム「TREND-POINT」の画面(資料:福井コンピュータ)

昔から、建築と土木は鉄筋コンクリート構造や鋼構造物など、同じようなことでもそれぞれ別々に行うような文化がありました。

しかし、今回の基礎掘削やドローンの点群データ活用などを見ると、国土交通省が推進する「i-Construction」の土木分野で培われたICT土工の技術が、建築分野でも生かされるようなった感があります。

土木と建築を両方で国産のソフトウエア事業を展開する福井コンピュータグループの総合力が、両分野の技術融合に一役買ったと言えるでしょう。

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