管理人のイエイリです。
2000年に「建設リサイクル法」が制定されてから、工事現場で発生した廃棄物は、コンクリート塊や木材などに分別して排出が行われるようになりました。
しかし、いまだに分別が難しい「混合廃棄物」もあり、中間処理プラントでは人の手による分別作業が行われています。
しかし、粉じんが舞う環境下で、長時間にわたって廃棄物を注視する作業はとても過酷で、作業員不足や作業環境の改善が課題になっています。
そこで東急建設と産業廃棄物処理業の石坂産業(本社:埼玉県三芳町)は、「廃棄物選別ロボット」を開発しました。
ベルトコンベヤーを流れる建設混合廃棄物をカメラで撮影し、空へ画像と距離画像から、
ナ、ナ、ナ、ナント、
廃棄物の種類と位置
を特定し、対象物だけをロボットアームで拾い上げ、所定のボックスに回収できるのです。(東急建設と石坂産業のプレスリリースはこちら)
廃棄物の種類と位置を特定するために、AI(人工知能)のディープラーニング(深層学習)による解析技術を使っています。
廃棄物が重なり合っていても、最上層にある廃棄物を識別できるので、廃棄物をベルコンに載せるときもまばらな状態にする必要はありません。そのため、既存のラインに設置できます。
また、ベルコンの速度は毎分40mまで対応できるので、人がロボットが一緒に働いても、“かったるい”と感じたり、そこだけ処理が遅れて他の工程に影響したりすることはありません。
今後、このロボットを石坂産業の全天候型独立総合プラントにある選別ラインに配置し、建設混合廃棄物から木材だけを選別する作業に従事させ、選別精度や耐久性などの検証を行います。
そして2020年度内には、ロボット2台で
毎時2500個の処理
スピードを実現することを目指しています。
このほか、ディープラーニング用の追加学習機能を使って、日々変化する廃棄物から目的のものを選べるように性能アップを図ります。
これまで人間しかできないと思われていた複雑な選別作業も、少しずつAIやロボットが行えるようになってきましたね。現場の人数が減ることで生産性向上とともに、過酷な作業から人間を解放する働き方改革も実現できそうです。