スターツCAMがBIMで鉄筋を自動加工! 日本初のコイル鉄筋を使用
2021年1月14日

管理人のイエイリです。

建物の設計から施工、維持管理までを、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)で一貫管理することを目指すスターツCAM(本社:東京都中央区)は、独自の「BIM-FM Platform」を構築し、2017年2月以来、着々と機能を追加しています。(詳細は2017年2月7日2018年9月6日2020年9月29日付けの当ブログ記事を参照)

そしてこのほど、さらに驚くべき機能が追加されました。建物のBIMモデルデータを工場とダイレクトに連携し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

鉄筋を自動加工

することに成功したのです。

建物のBIMモデル(以下の資料、写真:スターツCAM)

躯体部分の鉄筋のBIMモデル

拡大すると鉄筋が1本1本入力されている

BIMモデルから作成された鉄筋加工リスト

この鉄筋生産システムは、スターツCAMと鉄筋流通の岡谷鋼機(本社:名古屋市中区)、そして鉄筋専門会社のディビーエス(本社:愛知県豊橋市)の3社によって開発され、2020年1月から2件の新築工事現場で実証実験を行いました。

スターツCAMは構造計算データを鉄筋BIMモデルに変換し、鉄筋加工リストを作成するまでを主導的に行いました。

そして、鉄筋加工リストのデータをディビーエスに送り、イタリア・MEP社製の自動加工機で製造しました。

加工リストのデータを自動加工機に連携し(左)、曲げ加工や切断が行われた鉄筋(右)

従来の鉄筋工事ワークフローだと、積算作業の重複や手作業による鉄筋加工リストの作成、鉄筋加工機への入力ミスなどが発生していましたが、BIMモデルを使った加工ではこうしたムダが大幅に改善されました。

従来のワークフロー(図1)に比べて、BIMを活用したワークフロー(図2)は作業が大幅に自動化され、ヒューマンエラーもなくなった

この鉄筋加工で使われたのは、数百~数千メートルもの鉄筋をコイル状に巻いた

コンパクトコイル

と呼ばれるもので、トピー工業が日本で初めて開発した「TACoil(ティーエーコイル)」という製品を使いました。

従来のように定尺の鉄筋から切り出して加工すると多くの余材が発生してしまいますが、長いコイルから切り出すと鉄筋ロスが鉄筋総重量ベースで2%ほど削減できるそうです。

下はトピー工業がYouTubeで公開している「TACoil」の動画ですが、鉄筋工事のデジタル革新(DX)を感じさせてくれますよ。

スターツCAMでは2021年1月より、この鉄筋製造ワークフローを新築工事で随時、導入を始めます。同社の“攻めのBIM活用”は、これからもますます加速していきそうです。

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