管理人のイエイリです。
スターツコーポレーションと同グループのスターツCAMらは、2017年2月、建物の設計・施工段階で作ったBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データを、その後の運営・維持管理段階まで使える独自の「BIM-FM Platform(プラットフォーム)」を開発しました。(詳細は、2017年2月7日付けの当ブログ記事で)
最近、BIMを利用した維持管理システムが数社から発表されているのを見ると、先見の明があるシステム開発だとあらためて感じます。
しかし、維持管理的なネーミングとはうらはらに、「BIM-FM」は対応できる業務を着々と広げています。
その1つは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMによる建築確認申請
が行えるようになったのです。
スターツCAMと審査機関の日本ERI、福井コンピュータアーキテクトが連携し、BIMソフト「GLOOBE」によって1号建築物(特殊建築物・共同住宅)のBIMによる建築確認申請を行ったものです。
GLOOBEのBIMデータを使って審査の一部に自動計算機能を使用し、審査業務を効率化・見える化しました。その結果、建築確認済証を取得したのです。
もう1つは、設計業務で作成したBIMデータから、自動的に建築積算を行う「INTEGRAL-BIM」というシステムが加わったことです。躯体や鉄筋、設備などの積算ツールと連動して、建物全体の自動積算を実現しました。
建材の数量拾いの削減や、見積書作成までの自動化により、積算にかかる作業時間を
20人工→0.5人工
へと、40分の1に短縮したのです。(スターツグループのプレスリリースはこちら)
こうした上流部分の機能開発により、BIM-FMは事業計画から設計、施工管理、そして維持管理と、建設ワークフローをトータルにカバーしつつあります。
事業計画・投資判断フェーズでは、AIを用いてマーケットデータ等と連動し、建築・事業計画を約15分で行う「AI建築事業計画サービス」を既に開発してます。(詳細は、2018年3月29日付けの当ブログ記事で)
また、企画設計・シミュレーション・詳細設計フェーズでは、「ハイクオリティVR (バーチャルリアリティ) 」や、施工計画フェーズでは「鉄筋BIMモデル」や時間軸を入れた「4D施工計画」などを活用。さらに、既存建物のBIM化による、「FM(維持管理)活用コンサルティング」も行っています。
積算業務はBIMを使っても2~3割しか省力化にならないと思っていましたが、どのように自動化を実現したのか、大変、興味がそそられます。
BIMのメリットはこれまで、図面の整合性や設計のわかりやすさなどに注目されてきましたが、これからはいよいよBIMによる自動化を生かした省力化や省人化の競争に移っていきそうですね。