管理人のイエイリです。
国土交通省は2021年3月末までに、全国56都市で建物データなどの属性情報付き3D都市モデルを整備し、都市のデジタルツイン(デジタルの双子)をオープンデータとして公開する予定です。
2020年12月に、そのティザー(予告)サイトとも言うべきProject “PLATEAU“サイトがオープンしましたが、その内容が急速に進化しています。
2021年1月以降、LOD(詳細度)が
ナ、ナ、ナ、ナント、
最高レベル「4」の建物
が羽田空港付近や東京ポートシティ竹芝、クイーンズ横浜などに追加されたほか、東京・渋谷や丸の内エリアに人流データが追加されたのです。
このほか、シンプルに3Dモデル化された都市は、茨城県、神奈川県、新潟県、長野県、岐阜県、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県などに続々登場しています。
3Dモデルの整備と並行して、充実してきたのが、どのようにこれらの活用するかのノウハウやアイデアなどのコンテンツです。
「3D City Model」のコーナーでは、3D都市モデルのデータを建築・土木だけでなく、アートやモビリティーから医療や文化まで、幅広い分野と結びつけて活用できることを紹介し、3D都市モデルのデータ交換フォーマットとして「CityGML」について説明しています。
そして「Use Case」や「New Service」のコーナーでは、3D都市モデルデータの様々な活用例が紹介されています。
例えば、将来、普及が予想される物流用ドローンで撮影した都市の映像から、3D都市モデルをスピーディーに更新したり、建設工事に使われる車両の動きをシミュレーションしたりという使い方です。
さらにバーチャルまち歩きや購買体験ツアーを行ったり、高精度のセンサーで計測した人の流れを商業に生かしたりした例も紹介されています。
こうした都市のデジタルツイン活用法の考え方を理解しやすくしてくれるのが、
ビデオ対談コーナー
です。
齋藤精一氏(パノラマティクス)と 若林恵氏(黒鳥社)、内山裕弥氏(国土交通省)と 杉本直也氏(静岡県)、瀬戸寿一氏(東京大学)と石丸伸裕氏(日立製作所)の対談ビデオは、都市のデジタルツインを活用する上での基本的な考え方を2~3分でサクっと理解できます。
それに続くインタビューの書き起こしを読むと、それぞれの分野の技術者や一般ユーザーが、都市のデジタルツインを活用する上でのヒントが短時間で得られます。
このほか、1月に行われた「アイデアソン」の報告や入賞作品も、「こんな使い方があったのか」と頭を柔らかくするヒントに満ちています。
国交省が4月に一般公開予定の都市のデジタルツインデータは、無限の用途やビジネスに活用できる可能性に満ちています。「PLATEAU」サイトをひととおり見ておくと、参考になりますよ。