iPhoneによる点群計測を徹底追究! 若手技術者のFacebook投稿が大反響
2021年8月16日

管理人のイエイリです。

BIM/CIMやVR(バーチャルリアリティー)、MR(複合現実)など、3D関連技術の分野では若手技術者の活躍が目立っています。

最近、SNSのFacebookで、3D関係者の注目を集めているのが、「Hikaru Iwama」さんこと、岩間輝さんです。

岩間さんは萩原建設工業(本社:北海道帯広市)土木部技術管理課の社員です。Facebookによると1997年生まれとのことですから、今年で24歳の超若手ですね。

岩間輝さんのFacebook個人ページ

萩原建設工業の作業服に身を包んだ岩間輝さん(写真:家入龍太)

岩間さんの活躍が注目されている分野というのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

iPhoneによる3D計測

なのです。

ご存じのように、2020年に発売されたiPhone 12 ProやiPad Proには、「LiDAR」という3D点群計測機能を備えています。

岩間さんのFacebook個人ページの背景には、10種類ものiPhone用3D計測アプリの比較表があり、これだけでも相当な活用をされているのがうかがえますね。

3D計測できるLiDAR機能を備えた「iPhone 12 Pro」(写真:Apple)

iPhone用3D計測アプリの比較表(以下の資料、写真:岩間輝氏)

 

小雨が降る中で行ったiPhoneの3D計測テスト。防水仕様なので問題ないとのこと

2021年7月12日の投稿では、平たんな30m×15mの砂利を、EveryPointとSiteScapeという2種類のアプリを使って、計測した結果の精度検証を報告しています。ナント、計20回にも及ぶ計測を繰り返したそうです。

翌、7月13日の投稿では、十勝の大樹町にある旭浜トーチカをEveryPointで計測した点群データが、EveryPointのベストスキャンに選ばれたことを報告しています。

EveryPointの7月のベストスキャンに選ばれた旭浜トーチカの点群データ

また8月3日の投稿では、iPad Proとドローン(Phantom4 RTK)によって土量計算結果の比較を行いました。両者の違いは2%程度だったそうです。

その結果、iPadなどのLiDARによるメリットは小規模な計測を1人で低コストで行える点であり、デメリットは中から大規模な計測になるとドローンの方が効率的であること、精度の保証がないことなどを上げています。

LiDARによる土量計算の結果

このほか、既存の橋脚や石積み、消波ブロックなども、LiDARやフォトグラメトリーを使って計測し、精度などを報告しています。

既存橋脚の計測結果

古いコンクリート構造物の質感あふれる3D計測データ

そして、今日の未明(8月16日)の投稿では、

20mも離れたトーチカ

をiPhone 12 ProとEveryPointを使ってスキャンした画像を紹介しています。

20m離れたところから崖の上にあるトーチカをスキャンしたデータ

普通、iPhoneによる3D計測は5m程度が限界と言われていますが、災害時などで現場に近づけない場合や計測人員が足りない場合などには、有効な手段になりそうです。

土木分野でiPhoneやiPadによる3D計測について、これほど多くの実験や報告を載せた資料は他に類を見ないものです。そのため、岩間さんの投稿には、BIM/CIM、i-Construction、VR/MR、点群関係者からのコメントであふれています。

今後も、iPhone点群界の若手のホープとして、岩間さんのますますの活躍を期待したいですね。

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