現場写真のピンボケやブレを自動判定! キヤノンと中日本ハイウェイ・エンジが開発
2021年9月28日

管理人のイエイリです。

建設業の人手不足が深刻化する中、コンクリート構造物のひび割れを発見・管理する業務を自動化するAI(人工知能)システムが実用化されています。

例えば、キヤノンの「ひび割れ検知AI技術」はその一つです。

AIによってひび割れを検知した結果。人間の目では見落としてしまう0.1mm以下のひび割れも検知できる

しかし、元の写真がピンボケだったり、ブレがあったりすると、せっかくのAIもちゃんと機能しません。そのため現場では、写真撮影後に大量の写真を一枚ずつ、ちゃんと撮れているかを目視で確かめるという作業が必要でした。

コンクリート面を撮影した写真の例。ピンボケやブレがないかを判定するのはなかなか大変な作業です

この問題を解消しようと、キヤノン中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京(本社:東京都新宿区)は、点検画像品質確認ツール「Inspection Image Quality Checker」の共同開発に取り組んでいます。

現場で撮影した写真に問題がないかどうかを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

1枚当たり数秒で確認

 

してくれるのです。

ピンボケの度合いを可視化した画像

このシステムは、写真を「ピンボケ」「解像度」「ブレ」の3要素で自動判定し、点検に使える写真を自動的に振り分けてくれるものです。

人手によらないので負荷が軽減し、一定の基準で写真の品質を保つことができます。

ピンボケの判定には、「デュアルピクセルCMOS AF」という技術を活用し、各画素のピンボケを、その発生量に応じて色分け表示できます。

ピンボケの発生量に基準値を設け、基準値を超えるピンボケが発生している画素が画像全体に占める割合によって、画像が点検用として適切かどうかを判別します。

解像度の判定では、1画素あたりに写る被写体のサイズ(mm)で解像度を確認します。解像度が不十分な場合はひび割れが画像に写らず、見落としてしまいます。そこで撮影対象となるひび割れ幅に応じた解像度の基準値をあらかじめ設定し、基準値に対する達成可否を自動で判定します。

ブレの判定では、画像解析によりブレの発生量を数値化することで、あらかじめ設定した基準値以上のブレが発生していないかを判定します。

インフラ構造物点検における「Inspection Image Quality Checker」の活用イメージ

これらの判定は、

 

ノートパソコン

 

でできるので、現場で撮った写真をその場でチェックすると、すぐに撮り直しができます。

そのため、事務所で作業中にピンボケなどに気づいて、再度、現場に取りに行くという「移動のムダ」が大幅に削減できますね。ドローン測量をやっている人にも、重宝されるソフトになりそうです。

この技術は、2021年10月6日から東京ビッグサイトで開催される「ハイウェイテクノフェア2021」の中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京のブースで展示される予定です。

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