管理人のイエイリです。
昨年、発売されたiPhone 12 ProやiPad Proに搭載されているLiDAR(赤外線3Dスキャナー)機能を使った点群計測計測に、建設関係者の熱い注目が集まっています。
そんな中、2021年9月6日に、老舗の建設現場情報サイト、「現場主義」が「小規模ICT施工、iPhoneやiPadのLiDARなどを活用」という記事を報じました。
いったい、何が起こっているのだろうと思いきや、8月27日に国土交通省が開催した「ICT普及促進ワーキンググループ」(以下、WG。座長:立命館大学理工学部 建山和由教授)で、小規模現場で行われるICT施工の道具として、
ナ、ナ、ナ、ナント、
スマホのLiDARを正式に
使えるようにするための検討が行われたというのです。
国土交通省では、ICT活用工事を中小の建設会社に普及させるため、2020年度から「簡易型ICT活用工事」という制度を導入し、同年度は110件で実施しました。
高価な機器や建設機械が必要なため、コストがかかる「3次元起工測量」や「ICT建機による施工」を必須項目から外すことで、3次元データを使った施工管理を行いやすくしたものです。
WGでは、この簡易型ICT活用工事で、構造物が設計通りに造られているかを確かめる出来形管理の道具として、iPhoneのLiDAR機能を使った計測の導入を検討しました。
WGで使われた資料-2「ICT施工の取組状況」では、「中小建設業にICTを普及させるための新たな取り組み」の例としてスマホなどを使った出来型管理や、「現場での活用が期待される新技術・汎用製品(例)」として携帯電話のLiDAR機能を利用した測量が取り上げられました。
また、資料-4「小規模ICT施工技術の現場試行について」では、大成ロテックが行ったLiDAR計測など、小規模現場に適した市販機器の例が紹介されています。
同WGは10月6日に茨城県つくば市にある国土交通省 国土技術政策総合研究所(国総研)の
建設DX実証フィールド
でスマホによる点群計測を含む、各種新技術の現場試行をします。
実証フィールドには、出来形管理の実商用にカルバートや橋脚、地下埋設物の模型が設けられています。
WGでは、2022年2月上旬に小規模施工現場用のICT施工要領を提示し、2022年4月からの新年度で、いよいよiPhoneによる点群計測が現場の出来形管理に使われることになりそうです。