鹿島が現場のKY活動にAIを導入! 7万件の災害事例から“今日の作業”に似たものを発掘
2021年10月20日

管理人のイエイリです。

建設現場では今日の作業の前に必ず、起こりうる災害を予測し、対策を考える「危険予知活動」(KY活動)を行います。

このとき、参考になるのが厚生労働省が運営する「職場のあんぜんサイト」です。このサイトには死亡災害や労働災害、ヒヤリ・ハットなどの膨大な事例が掲載されています。

厚生労働省が運営する「職場のあんぜんサイト」に掲載されている死亡災害データベース(資料:厚生労働省)

死亡災害や労働事例のデータはExcel形式でダウンロードできる(資料:厚生労働省)

ただ、あまりにも膨大な事例が載っているので、「今日の作業」と同じ季節や天候、使用建機、構造物といった条件の事例を探し出すのは至難の業です。

そこで鹿島は、建設業や製造業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するUNAIIT(本社:愛知県名古屋市)と共同で、膨大な文書から今日の作業に似た作業での災害事例を探し出す「鹿島セーフナビ(K-SAFE)」を開発しました。

職場の安全サイトにある約6万4000件の災害事例と、鹿島が保有する約5000件の災害事例から、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIが類似事例を“発掘”

し、タイトル付けや分類を行ってくれるシステムなのです。(鹿島のプレスリリースはこちら

「鹿島セーフナビ」によるKY活動の流れ(以下の資料:鹿島)

その特徴は、単なるキーワード検索ではなく、AI(人工知能)の「自然言語処理技術」を使っていることです。

災害事例に記載された作業内容や原因、災害状況は、「自然言語」で書かれているため、類似事例を探し出すのは人間が読み解く必要がありました。

そのため、「今日の作業」に似た事例を見つけ出すのは、手間ひまがかかり過ぎて、現実的ではありませんでした。

そこでこのシステムでは、AIが膨大な事例を読み、災害原因を特定し、分類や代表的なキーワードでタイトル付けまでを行ってくれるのです。

今日の作業の内容は、単語のほか「コンクリートを打設する」などの文章で入力することもできます。すると発掘された類似作業の災害事例は、災害の原因や状況別に「足を滑らせて」「バランスを崩し」などのキーワードをAIが自動的に付けて分類してくれます。

また時系列でグラフに表示することもでき、直近10年、5年といった絞り込みも可能です。

「コンクリートを打設する」という作業内容で発掘された災害事例の分析結果。原因のタイトルは「足を滑らせて」「バランスを崩し」などのキーワードをAIが自動的に付けてくれる

グラフのタイトル(ラベル)をクリックすると、そこの含まれる

災害事例を一覧表示

してくれるので、KY活動では過去のリアルな事例を脳裏に浮かべながら、対策を考えることができます。

鹿島ではこのシステムを作業関係者との調整会議で使用する会議システムなどと連携させて活用の幅を広げるほか、建設業以外の産業の災害事例も解析できるようにすることを視野に入れています。

人手不足が年々、厳しくなっていく建設業では、 今後、工場でのプレハブ加工も増えていきそうです。そんなときは、製造業など工場での災害事例も、鹿島セーフナビで有効に活用できそうですね。

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