管理人のイエイリです。
洪水のニュース映像では、橋を支える橋脚が傾いたり、沈んだりしているシーンを時々、目にすることがあります。これは激しい水流によって、橋脚周辺の土砂が削り取られる「洗堀」という現象によるものです。
洗堀の状況を調査方法はこれまで、潜水士が水中に潜って行っていたため、増水時には事故の危険がありました。また、せっかく潜っても、水がにごっていると、洗堀によって河床がどのような形に削られているのかが分からないこともあります。
こうした問題を解決するため、Terra Drone(テラドローン。本社:東京都渋谷区)画期的な調査方法をある橋梁で実施し、成功しました。
ドローン(無人機)から水中に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
グリーンレーザーを照射
して、橋脚周辺の河床を上空から3D計測する方法なのです。(Terra Droneのプレスリリースはこちら)
グリーンレーザーは、水面から水中を貫き、河床まで到達します。今回の実験では、水深3.5mまでのデータを取得できたとのことです。
そこで、水中の河床形状はグリーンレーザー、地上の橋桁・橋脚や河川構造物などは通常のレーザーによって点群データを取得し、合成することで橋脚と河床が一体化した点群データが出来上がります。
そして、橋脚周辺の河床の洗堀状況を把握したり、洗堀深さを計測したりできるのです。
そしてこれらの点群データをもとに
断面図を作成
することができます。
ここ2~3年の間に、グリーンレーザーによる河川や海岸の3D計測技術が進んできましたが、広い範囲の河床や海底を計測する例がほとんどでした。
今回、グリーンレーザーによる橋脚の洗堀調査が成功したことで、橋梁の維持管理を省力化する方法が誕生したことになります。これからの人手不足時代に、維持管理の生産性を高める方法として注目されそうです。