ブルーイノベーションが原発点検用ドローンを発売! チェルノブイリ内部も飛行
2021年10月29日

管理人のイエイリです。

ブルーイノベーション(本社:東京都文京区)は2021年10月26日、関係者の熱い思いがこもったドローンの新製品「ELIOS 2 RAD(エリオス・ツー・ラド)」を発売しました。

新発売の屋内点検用ドローン「ELIOS 2 RAD」(以下の写真、資料:ブルーイノベーション)

ドローン全体が球体のかごに入った構造になっており、屋内の点検に使われるものですが、その活躍の場は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

原子力発電所

なのです。(ブルーイノベーション)

ドローンには放射線センサーが搭載されている

「ELIOS 2 RAD」は、工場やプラントなどの屋内点検で実績のある「ELIOS 2」をベースに、スイスのFlyability社によって開発されました。

放射線センサーを搭載しており、飛行中に放射線の検知や計測ができ、ドローンから撮影した動画や写真で、現場の状況をリアルタイムに把握できます。

そして飛行経路を3D点群マップで可視化し、放射線の漏えい場所を正確に把握できるようになっています。

もちろん、ドローンの操縦は、安全な場所から遠隔で行えます。

ドローンで撮影した現場の映像

ドローンコントローラー。放射線量がリアルタイムに表示される

累積線量などもリアルタイム表示する

専用アプリ「Inspector 3.0」によって放射線データの位置特定と、マッピングが可能

2020年には、ロシアの

チェルノブイリ原発

の事故現場でも、飛行テストが行われ、その時撮影した映像がYouTubeで公開されています。

原子力発電所の事故発生時には、点検員も室内に入れないため、自走式ロボットによる計測が試みられてきましたが、縦方向に移動できず、内部が壊れている場合は移動範囲が限られるという問題がありました。

その点、ドローンだと安全な場所から遠隔操作して、施設内を自由自在に移動しながら計測が行えるので、原発事故の復旧などに、大きな力を発揮しそうですね。

ELIOS 2 RADを開発したFlyability社は、2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所の事故をきっかけに設立されたとのことです。崩壊した原発内部を安全に点検するため、ELIOSシリーズが開発されました。

そして今回、原発用のELIOS 2 RADの開発で、ついに当時の思いが実現したのです。発売日も、10月26日の「原子力の日」を選びました。こうしたことからも、エンジニアの思いが感じられますね。

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