管理人のイエイリです。
日立グループの日立チャネルソリューションズ(東京本社:東京都品川区)は、このほど建設現場用のロボット「SumiROBO」を発売しました。
トプコンの現場用測量機「杭ナビ」に誘導されながら、現場のあちこちで立ち止まっては、黙々と作業を続けていきます。
いったい、何の作業をしているのかと思えば、
ナ、ナ、ナ、ナント、
床に墨出し
をしていたのです。(日立チャネルソリューションズのプレスリリースはこちら)
このロボットは台車にインクジェットプリンターの印字機構を搭載したような構造になっており、図面に基づいた墨出しポイントに、位置や文字、マークなどの情報を印字するものです。
使い方の手順は、CAD図面から墨出し用データを作成してタブレットからロボットに転送します。そして図面と現場を合わせる通り芯の位置を杭ナビで計測し、タブレットで指示するとロボットが墨出しを行ってくれます。
杭ナビとの連携で、誤差は±3mmと高精度の墨出しが可能です。
杭ナビの操作は、タブレットから簡単に行えるため、墨出し作業者は測量機の専門知識がなくても設定できます。
また、タブレット上で墨出し作業の範囲やロボットの進入禁止範囲を設定できるほか、ロボット自身が障害物を検知し、回避ルートを自動探索して作業を継続する機能も備えています。
ロボットの重量は約30kgなので、1人で扱うことができます。
1回の充電で、約5時間の墨出し作業が行えるため、現場の条件を整えておくと、
夜間の無人墨出し
もできるのです。
ロボットが近づけない壁ぎわなどは、プリズムと杭ナビを使って人力による墨出しも行えるので、柔軟な運用が可能です。
気になるお値段ですが、同社によると「1000万円未満」とのことです。
「SumiROBO」は、2021年11月17日~19日に東京ビッグサイトで開催される「Japan Home & Building Show 2021」や、同12月6日~8日に同所で開催される「建設DX展 東京展」で展示される予定です。ご興味のある方は、出掛けてみてはいかがでしょうか。
建設業界向けには、測量などを行える四足歩行ロボット「Spot」や、鉄筋の交点を鉄線で緊結する「トモロボ」など、“買って使えるロボット”が増えてきています。
人手不足に対応するためには、求人を強化するだけでなく、作業をこれらのロボットに行わせる前提での業務ワークフローを考えてみるのもいいかもしれませんね。