管理人のイエイリです。
道路や鉄道の維持管理で路線上の位置を表示するのに、路線の起点からの距離を示す「キロポスト」や「キロ程」がよく使われてきました。
ところがこれからの建設DX(デジタルトランスフォーメーション)時代の位置表示は、下に示したような3Dによる表示が当たり前になりそうです。
三菱電機は道路や鉄道沿線などの施設や設備を管理するため、三菱多次元施設・設備管理システム(MDMD)を開発し、これを用いた維持管理支援サービスを2021年12月16日に開始することになりました。
これまでのキロポストなどに代わり、路線全体を
ナ、ナ、ナ、ナント、
デジタルツイン化
し、高精度の3D座標で施設や設備の位置、相互関係を明確化できるのです。(三菱電機のプレスリリースはこちら)
道路や鉄道に、3Dレーザースキャナーや高解像度カメラなどを搭載したMMSD(Mitsubishi MMS for Diagnosis)の車両を走らせて周囲を点群データや画像で記録し、クラウドサーバーなどに3Dのデジタルツイン(デジタルの双子)を構築します。
このデジタルツインをキロポスト代わりに使い、写真や台帳、点群データを該当する位置にリンクする仕組みです。
点群データは高密度・高精度であるため、測量と同等の精度で離隔距離やスペースの検討、配線長の計算、干渉チェックのほか、施工シミュレーションでの活用も可能です。
また点検履歴や劣化度、変状記録など維持管理の情報もデジタルツイン上でスピーディーに探して確認できます。
デジタルツインには、路面やレールのほか、照明灯、架線、プラットフォームなど、
あらゆるものが記録
されているため、土木、電気、設備などの複数部門で同じデジタルツインを共有することで、業務が効率化されるメリットも少なくありません。
三菱電機では2021年12月16日に「トンネル点検管理サービス」を開始し、2022年4月1日に「点群データ提供サービス」と「台帳連携サービス」を開始する予定です。
デジタルツインによる維持管理は、時間的な制約や現場への行き来などの手間が大幅に削減されるほか、快適な室内でかなりの業務が行えるので、生産性向上とともに働き方改革にも大きな効果を生み出しそうです。