2021年12月6日~8日、東京ビッグサイトで開催されている「建設DX展」(主催:RX Japan)の会場で、ひときわ異彩を放っているのが、倉敷紡績ブースに展示されている重量感あるオブジェです。
まるで糸のように、空中に優美な織りなしているこのオブジェは、セメント状の材質でできており、その足元には専門の職人が作ったという“石庭”が設けられています。
大阪・寝屋川市の同社工場から特注の木枠で梱包され、東京の会場まで慎重に輸送されてきたオブジェを造ったのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
建設用3Dプリンター
だったのです。
倉敷紡績(以下、クラボウ)は以前から、セメント系材料を使用した住宅用の外装化粧材や外構材を開発・販売してきました。
その新しい制作ツールとしてフランスのスタートアップ企業、XtreeE(エクストリー)社製の建設用3Dプリンターを導入し、小型~中型の立体造形物の受注生産を開始しました。(詳しくは2021年5月26日付の同社プレスリリースを参照)
この3Dプリンターはロボットアームに取り付けたノズルからセメント系材料を吹き出して、層状に積層しながら立体的な造形物を短時間で造形できます。
最小積層厚は6mmと小さいため、高精度な立体造形が行えるのが強みです。最大造形サイズは、形によって異なりますが、直方体の場合は幅2500mm×奥行き1000mm×高さ2000mmとなっています。
今回、建設DX展に展示されているオブジェは、「SPIN FOLLY」という作品で、「技術と人が、絡まり合い紡ぎ出す造形物」として制作されました。
デザインを担当したのは、
竹中工務店の設計者
たちです。
この美しいデザインは、造形前の時間制限いっぱいまで、修正を続けて完成したものです。
この重量感あるオブジェは、輸送や展示にも相当なコストがかかるため、今回の展示が終了したら壊される運命にあるそうです。
もし、引き続き展示にご興味のある方は、最終日の今日(2021年12月8日)、同社ブース(小間番号:7-53)にお出掛けいただき、同社の方と交渉してみてはいかがでしょうか。ひょっとしたら、譲ってもらえるかもしれませんよ。