令和3年度のi-Con大賞で22社が受賞! 国交大臣賞は中電技術コンサル、栃木県など5団体へ
2022年2月24日

管理人のイエイリです。

建設現場の生産性向上を図る「i-Construction」について、優れた取り組みを「ベストプラクティス」として表彰する国土交通省の令和3年度「i-Construction大賞」の受賞者が、2022年2月22日に発表されました。

表彰対象は、令和2年度に完成した工事・業務の元請け企業や、地方公共団体などのほか、i-Construction推進コンソーシアムの会員です。

今回は国土交通大臣賞が5団体、優秀賞が17団体の計22団体が受賞者に決定しました。

まず、国や地方公共団体などが発注した工事・業務部門で国土交通大臣賞に輝いたのは、中電技術コンサルタント(本社:広島市南区)で、「UAVの自律飛行による天然ダムおよび砂防関係施設の点検・調査」が受賞対象となりました。

同社はアクセスが難しい山奥の土砂災害現場で、「天然ダム」や砂防施設の点検・調査を行う際に、ドローン(UAV)を目視外飛行(レベル3=離島や山間部などの有人地帯)が必要でした。

しかし、谷が深く、河道が曲がっているのでドローンを制御する電波が届かないという問題がありました。

山奥の土砂災害現場をドローンで点検したくても、電波が届かなかった(以下の資料:国土交通省の発表資料より)

そこで、同社は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

電波中継用ドローン

をもう1機飛ばして、尾根を越えて調査・点検用ドローンを制御することに成功したのです。

電波中継用ドローンをもう1機飛ばした

直線で見通せない現場のドローンが、尾根を越えた電波中継で制御可能に

この結果、これまでだとアクセスだけで数日間かかる現場の全体像を、約15分の1フライトだけで把握することができたのです。

防災や公共施設の点検で「レベル3」の飛行を行ったのは、全国初でした。

続いて、地方公共団体等の取組部門で、国土交通大臣賞に輝いたのは、栃木県で「スマートフォンを活用した維持管理体制のDX化」です。

道路の維持管理業務では、現場パトロールの後、報告書の作成に3人が約40分をかけていました。

そこで、スマートフォンとクラウドサービスの活用によって報告書作成を自動化した結果、1人で約10分で行えるようになりました。12倍もの生産性向上を実現したことになりますね。

このほか舗装点検業務では、これまで専用車両を使っていたため、5年に1回、片側車線のみを調査していたのを、スマホ内蔵の加速度計を活用し毎日のように路面性状調査(MCI調査)を行えるようになったことも評価されました。

従来のパトロール業務の課題

スマホとクラウドで報告書の作成が自動化され、作業は大幅にスピードアップ

災害時もスマホとクラウドで迅速な情報共有体制を実現

最後に、i-Construction推進コンソーシアム会員の取組部門では、

国土交通大臣賞が3社

に決定しました。

1社目はスキャン・エックス(本社:東京都渋谷区)で、「オンライン点群処理プラットフォーム スキャン・エックス」が月額3万円程度の低価格にもかかわらず、高度な点群データの処理が行えることや、開発のスピードなどが評価されました。(詳細は2020年9月16日付の当ブログ記事を参照

オンライン点群処理プラットフォーム「スキャン・エックス」の画面

2社目は大林組(本社:東京都港区)で、「ICT建機の施工履歴データとDX統合型クラウドを使った生産性向上への取組」が受賞しました。

ICT建機の施工履歴データによる出来形管理を、従来の切り土だけでなく、盛り土にも適用できるようにし、国交省が定める3次元計測の計測精度を実現しました。

そのデータをクラウドによって工事関係者間で共有したほか、その手法を民間からの提案として提出し、令和3年度の一般要領基準として公開されました。

盛り土工事でも施工履歴データによる出来形管理を実現した大林組

3社目はアンドパッド(本社:東京都千代田区)で、おなじみの「クラウド型建設プロジェクト管理サービス ANDPAD」が受賞しました。

各現場の写真や図面、資料などをクラウド上で一元管理することで、多くの導入企業で業務時間の削減や生産性向上の効果、売上増加や粗利改善などの効果が見られたことなどが評価されました。

おなじみのANDPADも国土交通大臣賞に輝いた

上記の取り組みはごく一例です。このほか、優秀賞でもBIM/CIMやスマホによる点群データ計測、プレハブ化、AR(拡張現実)などを使った先進事例がてんこ盛りです。

ぜひ、下の詳細PDF資料をご覧のうえ、自社に使えそうなものをチェックしてみてはいかがでしょうか。

令和3年度i-Construction大賞受賞者一覧

○工事・業務部門  (詳細PDF資料はこちら

NO 表彰の種類 業者名 工事/業務名 発注地整等
国土交通大臣賞 中電技術コンサルタント株式会社 UAVの自律飛行による天然ダムおよび砂防関係施設の点検・調査 近畿
優秀賞 株式会社玉川組 道央圏連絡道路江別市南5線改良工事 北海道開発局
優秀賞 株式会社本間組東北支店 酒田港本港地区防波堤(南)築造工事 東北
優秀賞 清水・五洋特定建設工事共同企業体 東京国際空港際内トンネル他築造等工事 関東
優秀賞 アジア航測株式会社 R1荒川下流航空レーザ測量他業務 関東
優秀賞 真柄建設株式会社 金沢外環状道路海側幹線IV期地方道改築工事(改良工その3) 石川県
優秀賞 朝日丸建設株式会社 令和元年度42号尾鷲熊野南道路建設工事 中部
優秀賞 ユウテック株式会社 平成31年度建・交付海岸高潮第A2-7分0004号井田地区海岸 海岸高潮対策(人エリーフ設置)工事(その3) 三重県
優秀賞 株式会社第一土木 前田地区大谷川樋門築造工事 近畿
10 優秀賞 株式会社増岡組 安芸南部山系大屋大川支川渓流外砂防堰堤第2工事 中国
11 優秀賞 パシフィツクコンサルタンツ株式会社 呉港広多賀谷地区岸壁(-4.5m)等整備検討業務 中国
12 優秀賞 東亜建設工業株式会社四国支店 徳島小松島港金磯地区岸壁(-11m)改良等工事 四国
13 優秀賞 大成・IHIインフラ・八方地域維持型建設共同企業体 熊本325号災害復旧阿蘇大橋上下部工事 九州
14 優秀賞 株式会社ホープ設計 平成31年度北部国道改築設計(その1)業務 沖縄

○地方公共団体等の取組部門  (詳細PDF資料はこちら

NO 表彰の種類 取組団体名 取組名 地域
15 国土交通大臣賞 栃木県 スマートフォンを活用した維持管理体制のDX化 関東
16 優秀賞 札幌市 除雪機械の1人乗り化 北海道
17 優秀賞 貝塚市 貝塚市・DSERO共同事業「i-Construction ・ BIM/CIM の普及に向けたドローン測量技術の推進」 近畿

Oi-Construction推進コンソーシアム会員の取組部門  (詳細PDF資料はこちら

NO 表彰の種類 業者名 取組名 本社
所在地
18 国土交通大臣賞 スキャン・エックス株式会社 オンライン点群処理プラットフォーム「スキャン・エックス」 東京都
19 国土交通大臣賞 株式会社大林組 ICT建機の施工履歴データとDX統合型クラウドを使った生産性向上への取組 東京都
20 国土交通大臣賞 株式会社アンドパッド クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」 東京都
21 優秀賞 株式会社加藤組 あらゆる通信規格に対応できる複数建設機械の遠隔操作を可能とするマルチコツクピットシステム 広島県
22 優秀賞 清水建設株式会社 デジタルツールをフル活用した現場管理の可視化・高度化 東京都
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