雪道走行の視界をリアルタイムに“除雪”! 岩崎が「Clear Drive」を開発
2022年2月7日

管理人のイエイリです。

雪国に行くと「今年は雪の“当たり年”みたいだね」という話を聞くほど、各地で多くの積雪があります。

吹雪の中、除雪や凍結防止剤の散布などを行うドライバーの皆さんは、雪道での視界の悪さに悩まされることも多いでしょう。

雪道を走行中の運転席からの視界(以下の写真、資料:岩崎)

雪道を走るドライバーに、安全運転できる環境を提供しようと、岩崎(本社:札幌市中央区)は物体検知型映像鮮明化システム「Clear Drive」という画期的な製品を開発しました。

「Clear Drive」を搭載した凍結防止剤散布車

その名の通り、吹雪でよく見えない雪道でも、

ナ、ナ、ナ、ナント、

視界から雪粒を除去

したクリアな映像を運転席のモニターに表示してくれるのです。(Clear DriveのYouTube動画はこちら

吹雪でよく見えない運転席からの視界

「Clear Drive」で鮮明化された視界

これだと、前方がよく見えない時にも安心して走行できますね。

画像からリアルタイムに“除雪”する処理には、写真処理ソフトでスナップ写真をくっきりさせる時に使う「シャープネス」と同じ原理を使っています。

このシステムでは、動画の一コマ一コマについて、画像の範囲を分割し、「ヒストグラム平坦化」という処理をリアルタイムに行い、元の映像に近い色調で表示できるようにしました。

鮮明化だけではありません。このほかAI(人工知能)によって、映像から人やクルマ、信号、そして道路境界示す「矢羽根」を認識して表示する機能も持っています。

リアルタイムに映像から人やクルマ、信号などを認識して表示する機能

さらにスゴいのは、検出した物体までの距離を推定し、自車に接近した場合は

アラームを出す

警告表示機能まで備えているのです。

クルマなどが近づいた時は、アラームを出す

このシステムは、2021年11月に発売されました。既に北海道開発局が9台導入し、道内の各地に配備されました。このほか空港の除雪にも使われています。消防署からも吹雪時の緊急走行に備えて、引き合いが来ているとのことです。

ユーザーからは、「吹雪による出動待機時間が減った」、「除雪時に対向車を早めに検知できるので、除雪ブレードを早めに操作できる」などの喜びの声が聞かれています。

気になるお値段ですが、鮮明化装置や車載Webカメラやモニター、設置費用を含めて150万円程度です。

雪国の道路管理者や建設業などの生産性や安全性の向上に、大いに役立ちそうですね。

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