管理人のイエイリです。
大きな地震が起こるたびに指摘されるのが、ブロック塀の倒壊による危険性です。
ブロック塀の危険度は、全国建築コンクリートブロック工業会や国土交通省が公表する点検マニュアルに基づいて判断されています。
しかし、ブロック塀は町のあちこちにあるため、どこにどれだけ存在するのかを把握するだけでもひと苦労です。
そこで、街中のブロック塀を自動的に探し出し、危険度を評価できるようにしようと、関西大学、徳島大学、摂南大学、日本インシーク(大阪本社:大阪市中央区)からなる研究チームが考え出したのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
MMSでブロック塀調査
を行う技術だったのです。(土木情報学シンポジウムでの講演概要はこちら)
この技術は、小型車を使ったMMS(モービル・マッピング・システム)を走らせて街中の点群データを取得し、AI(人工知能)の深層学習によってブロック塀を認識し、点群データから切り出します。
その断面形状から、ブロック塀の高さと傾きを算出し、危険度を評価します。
これまではすべてのブロック塀を人間が見て歩かなければいけませんでしたが、このシステムを使うことにより、危険度の高いブロック塀をあらかじめ絞り込めるので、点検が効率的に行えます。
今後は、地図データと点群データを突き合わせて、ブロック塀の所有者や管理者を自動的にひも付け、点検台帳を自動作成したり、MMSによるブロック塀の点検・判定マニュアルを国土交通省などに提案したりすることも計画しています。
このほど、この技術の有効性が認められ、土木学会のインフラメンテナンス
チャレンジ賞を受賞
したのです。(土木学会のプレスリリースはこちら)
将来、点群データから様々な構造物や設備をAIなどによって認識し、評価できるようになると、定期的にMMSを走らせるだけで各種のAIシステムが、様々な社会インフラの異常を自動発見できるようになり、維持管理や防災の「DX」が進みそうですね。