管理人のイエイリです。
愛知県小牧市にある百年住宅(本社:静岡県静岡市)の小牧工場に、突如、球形のコンクリート製オブジェのようなものが出現しました。
いったい、これは何なのかというと、セレンディクスが
ナ、ナ、ナ、ナント、
日本初の3Dプリンター住宅
として建設した家なのです。
兵庫県西宮市に本拠を置く同社は、3Dプリンターを使って球形の住宅建設を目指して起業したスタートアップ企業です。(詳しくは、2021年2月3日付けの当ブログ記事を参照)
今回は、コロナ禍の影響で日本に3Dプリンターを輸入する時期が遅れたため、海外の3Dプリンターメーカー2社で出力した躯体パーツを日本に輸送し、組み立てました。
躯体は約20tでしたが、クレーンによる躯体の組み立て作業はわずか3時間で完了しました。
この住宅は球形なので壁は垂直ではなく、斜めになっています。構造はRC造です。
そのため躯体のパーツは、3Dプリンターで「打ち込み型枠」を二重構造で作り、その中に鉄筋が入れてあります。この3Dプリント技術は、世界でもあまり類を見ない、相当、高度なものですね。
躯体を組み上げた後は、二重構造の空洞部にコンクリートを打設して、鉄筋と一体化させます。
日本基準の耐震性能をクリアするために、構造設計は日本のエンジニアが担当しました。
その後、防水処理や開口部などの施工、塗装などを行いました。
躯体パーツの組み立てから、住宅としての形に仕上がるまでにかかった時間は、
わずか23時間12分
と、見事、24時間を切ることができました。
この住宅建設プロジェクトは、セレンディクスを中心としたコンソーシアムによって行われており、今回の現場施工では百年住宅のほか楓工務店(本社:奈良県奈良市)や辺重(本社:群馬県太田市)も参加しました。
セレンディクスではまず、コンソーシアム参加企業を対象に、この球形住宅「Sphere」(10m2、300万円)の限定予約を開始します。用途としては、キャンプ場の宿泊施設「グランピング」や別荘、災害復興住宅を想定しています。
また、今後はさらに耐震性能の強化にも取り組んでいくとのことです。
いよいよ3Dプリンターによる住宅建設が、日本でも始まりました。