橋梁のコンクリ劣化原因、程度をAIが自動判定! トプコンソキアが「Dr.Bridge」の提供開始
2022年6月27日

管理人のイエイリです。

橋梁の維持管理で重要なのは、コンクリート部分のひび割れなどの損傷を把握し、適切に補修を行っていくことです。

これまではコンクリート診断士などの技術者が現場を“近接目視”して、その判定に当たってきました。

しかし人手不足が年々、進む中、人だけに頼った維持管理方法では、そのうちパンクしてしまうのが目に見えています。

橋梁の維持管理風景のイメージ(以下の写真、資料:トプコンソキア ポジショニングジャパン)

橋梁の維持管理風景のイメージ(以下の写真、資料:トプコンソキア ポジショニングジャパン)

そこでトプコンソキア ポジショニングジャパン(本社:東京都板橋区。以下、トプコンソキア)は、道路橋の維持管理を自動化するサービス「Dr.Bridge」の提供を2022年6月に開始しました。

コンクリート部分の写真とひび割れ幅などのデータをクラウドにアップするだけで、劣化要因と健全度を、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIが自動判定

し、国土交通省の書式で点検調書まで自動的に作ってくれるのです。(トプコンソキアのプレスリリースはこちら

AIが写真から自動判定した各部の健全度(左)と劣化要因(右)

AIが写真から自動判定した各部の健全度(左)と劣化要因(右)

このシステムは、日本海コンサルタント(本社:石川県金沢市)とBIPROGY(本社:東京都江東区。旧・日本ユニシス)

ひと口に、コンクリートのひび割れと言っても、その原因はアルカリ骨材反応だったり、凍害だったり、中性化だったりと様々です。また構造物の健全性も、定量的に判定する必要があります。

「Dr.Bridge」がスゴいのは、AI(人工知能)によって劣化要因を7種類に分類し、健全度を5段階で自動評価してくれることです。これだけの仕事をAIが自動的にやってくれると、点検調査の現場は大助かりですね。

「Dr.Bridge」が自動判定する劣化要因(上)と健全度(下)の内容

「Dr.Bridge」が自動判定する劣化要因(上)と健全度(下)の内容

Dr.Bridgdeの利用の流れ

Dr.Bridgdeの利用の流れ

気になる判定精度ですが、劣化要因は90.8%、健全度では84.4%まで向上しており、

人間の技術者

に迫るレベルになっています。

このシステムが登場したことで、比較的小規模で新しめの橋梁点検は「Dr.Bridge」に任せて、重要で危険な橋梁は経験豊富な技術者が担当する、といった業務の切り分けによる効率化が期待できます。

このシステムは、2020年度にある市で、橋長5m未満の10橋の定期点検で使用され、従来の点検手法に比べて30~40%(約80万円)のコスト削減を実現しました。

Dr.Bridgeに、小規模で比較的新しい橋梁の点検・診断を任せることで、維持管理の効率化が実現できそうだ

Dr.Bridgeに、小規模で比較的新しい橋梁の点検・診断を任せることで、維持管理の効率化が実現できそうだ

ある市でのコスト削減結果

ある市でのコスト削減結果

橋梁の劣化が年々増える一方、維持管理に当たる技術者は年々減っています。Dr.Bridgeは、高度な知識と経験が求められる点検業務を、人間のようにこなしてくれます。

このような「買って使えるAI」は、頭脳労働での人手不足解決の即戦力として注目を集めそうですね。

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