管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)で設計や施工管理の生産性を上げるために欠かせないのが、様々な建設資材や家具、設備機器などのBIMオブジェクトです。
BIMオブジェクトをダウンロードできるウェブサイトも増えてきましたが、まだまだ日本で使われている製品のBIMオブジェクトは十分とは言えません。
そこで野原グループで3Dデジタルコンテンツのプラットフォーム事業を担うBIMobject Japan(本社:東京都新宿区)と、BIMの技術サービスに強い日本FLOW(本社:東京都港区)は、2022年6月に業務提携を開始し、特設サイト「Revitファミリ」を立ち上げました。
そのサイトに集められたコンテンツとは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
日本仕様のRevitファミリ
なのです。(野原ホールディングスのプレスリリースはこちら)
BIMobject Japanが業務提携した日本FLOWは、2013年に台湾で設立されたFLOW Inc.が、2019年に日本支社として設立した企業です。
台湾では高品質のBIM統合サービスを提供し続けていることに定評があり、今回の提携では日本市場向けのBIMモデリングサービスや家具、設備などのRevitファミリの作成サービスを提供します。
2022年7月20日現在、このサイトには38ブランドの2171製品のファミリが登録され、無料でダウンロードできるようになっています。
どんなファミリが得られるのか、筆者も試しにダウンロードしてみました。
選んだのは富士通ゼネラルのマルチエアコンの室外機「AOYG 22/24」という機種です。
トップページからこの製品のページに飛び、さらにダウンロードボタンを押してみました。するとRevitファミリ(.rfa形式)のほかIFCデータ、DWG/DXFといったファイルもダウンロードできるようでした。
実際にダウンロードしたデータを、オートデスクの無料ビューワー「Autodesk Viewer」で開いて見ると、製品の3Dモデルが表示されました。
今回の提携では、もう一つの狙いがあります。それはBIMオブジェクト作りに
障害者を積極雇用
することです。
FLOW本社には障害をもったBIMエンジニアが多く在籍し、2013年から2021年までにBIMとAI(人工知能)の分野で460件以上の仕事の機会を障害者に提供した実績があります。
日本の建設業界は今後、ますます人手不足が深刻になっていきます。障害の有無や老若男女を問わず、多くの人たちにBIMの分野での就業機会を提供する取り組みは、人手不足問題と障害者の就業問題を、一挙に解決できる点で画期的ですね。