AIでクレーンの荷振れを自動抑制! タダノとDeepXが熟練オペレーターの技を再現
2022年9月7日

管理人のイエイリです。

クレーンは工事現場や工場、港湾施設などで幅広く使われていますが、その運転には熟練オペレーターの技が求められます。

特に難しいのは、荷物を吊り上げ、移動させたときに「ブラブラ」と揺れてしまうのを、静止させる操作です。オペレーターは自分の目で吊り荷の位置を確認しながら、複数のレバーを操作して、経験と勘によって吊り荷を静止させるのです。

クレーンで荷物を吊ったときの揺れを静止させるのは、ベテランの技が求められる(以下の写真、資料:DeepX)

クレーンで荷物を吊ったときの揺れを静止させるのは、ベテランの技が求められる(以下の写真、資料:DeepX)

この操作を簡単にしようと、クレーンメーカーのタダノ(本社:香川県高松市)と、東大発のスタートアップ企業 DeepX(本社:東京都文京区)は、画期的な技術開発に成功しました。

移動式クレーンのと制御アルゴリズムを

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIで学習・最適化

することで、吊り荷の振れを抑制しながら、任意の位置に正確に移動できるようにしたのです。(DeepXのプレスリリースはこちら

自動化の検証を行った移動式クレーン

自動化の検証を行った移動式クレーン

クレーンの運転は無人で行われた

クレーンの運転は無人で行われた

クレーンには、旋回・ブームの起伏・ウインチ操作という「3連操作」があり、吊り荷の荷振れには、振り子のような揺れのほか、ブームのたわみや風も影響してきます。

これらをコンピューター上で再現するため、両社はクレーンシミュレーターとAI(人工知能)制御器を組み合わせて、制御アルゴリズムに最も効果的な操作方法を学習させました。

クレーンシミュレーター。荷振れに影響する、振り子のような揺れ(左)、ブームのたわみ(中央)、風(右)といった要素を再現した

クレーンシミュレーター。荷振れに影響する、振り子のような揺れ(左)、ブームのたわみ(中央)、風(右)といった要素を再現した

AIで制御アルゴリズムに最適な操作方法を学習させて、実機を自動制御するイメージ

AIで制御アルゴリズムに最適な操作方法を学習させて、実機を自動制御するイメージ

クレーンには移動式クレーンやガントリークレーン、タワークレーンなどがありますが、この自動制御システムは、

様々な種類のクレーン

に対応することができます。

ガントリークレーンの例

ガントリークレーンの例

タワークレーンの例

タワークレーンの例

様々な種類のクレーンシミュレーター。これらの制御アルゴリズムをAIで学習させると、自動制御が可能になる

様々な種類のクレーンシミュレーター。これらの制御アルゴリズムをAIで学習させると、自動制御が可能になる

この技術が開発されたことで、経験と勘、そして熟練が求められていたクレーンの操作がより簡単になるので、自動化や自律運転も可能になりそうです。クレーンの無人化革命が、いよいよ始まろうとしています。

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