つわものロボットとビル設備を協働させる新ビジネス! 大林組が新会社「PLiBOT」を設立
2022年9月8日

管理人のイエイリです。

病院や工場、物流施設などでは、人手不足に対応するため、重量物の搬送や清掃作業のロボット化が進んでいきそうです。

建物内で働くロボットの種類や台数が増えると、今度はメーカーが異なるロボット同士の衝突を防止したり、エレベーターなどビル設備と連携させたりするための開発などの手間が大変になります。

こうした本格的なロボット時代を先取りして、大林組は新会社「PLiBOT(プライボット)」(本社:東京都葛飾区)を設立しました。

新会社「PLiBOT」の社名ロゴ(左)。色は大林組のコーポレートマーク(右)を踏襲している(特記の資料、写真:大林組)

新会社「PLiBOT」の社名ロゴ(左)。色は大林組のコーポレートマーク(右)を踏襲している(特記の資料、写真:大林組)

その大きな“売り物”は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ロボットとビルを連携

させる統合制御プラットフォーム「PLiBOT」なのです。(大林組のプレスリリースはこちら

PLiBOTで統合制御されたエレベーターから自動的に降りてくる湿式清掃ロボット(写真:PLiBOT)

PLiBOTで統合制御されたエレベーターから自動的に降りてくる湿式清掃ロボット(写真:PLiBOT)

例えば、このプラットフォームを使うと、清掃ロボットがエレベーターに乗って、次の階まで移動し、降りるといったことが自動的にできるようになります。

また、「ビル内のA地点からB地点へ荷物を運べ」といった指示も簡単にでき、台車タイプやフォークリフトタイプなどから作業に最適なロボットを自動的に選んで、“ミッション”を達成することができます。

統合制御プラットフォーム「PLiBOT」は、様々なメーカーの自律作業ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)と、エレベーターなどのビル設備をつないで、一元管理できるのが特長です。

自律作業ロボットの世界では、スイスのBlueBotics社が開発した「ANT」というナビゲーションシステムが世界最大のシェアを持っています。

大林組は同社とパートナー契約を締結し、PLiBOTとANTをつないだため、ANTを搭載した世界中のロボットを、ビルと連動して動かせるようになりました。

PLiBOTの構成図。世界最大のシェアを持つANTともつながっているほか、エレベーターや自動ドア、工業用ロボットとも連携している

PLiBOTの構成図。世界最大のシェアを持つANTともつながっているほか、エレベーターや自動ドア、工業用ロボットとも連携している

このほか、PLiBOT社は、世界中のロボットメーカーと販売代理店契約を結んで各種ロボットを販売するほか、国内企業と連携してメンテナンスサポート体制も構築しています。

そのロボットの面々は、なかなか

パワフルなつわもの

ぞろいです。

例えば、湿式清掃ロボット「Cleanfix RA660Navi XL Server」は、110Lの水を積み、毎時1500m2もの作業スピードで、床に水をまきブラシでこすり、水を吸引します。1時間の充電で最大5時間稼働します。

また、産業用自立型ドライクリーニングロボット「Kemaro K900」は、道路の清掃車を小型にしたようなイメージで、小石やビン、釘などのほか水も吸い取ります。90cm幅を毎秒0.7mのスピードで動き、毎時1000m2を掃除してくれます。

湿式清掃ロボット「Cleanfix RA660Navi XL Server」(左)と産業用自立型ドライクリーニングロボット「Kemaro K900」(右)

湿式清掃ロボット「Cleanfix RA660Navi XL Server」(左)と産業用自立型ドライクリーニングロボット「Kemaro K900」(右)

重量物を運びたいときは、荷物の下に潜り込んで持ち上げる多目的自動搬送ロボット「Oppent EVOcart1」(最大700kgs搭載)や、パレット自動搬送ロボット「Karter Kompakt」(最大1500kg搬送)があります。

多目的自動搬送ロボット「Oppent EVOcart1」(左)とパレット自動搬送ロボット「Karter Kompakt」(右)

多目的自動搬送ロボット「Oppent EVOcart1」(左)とパレット自動搬送ロボット「Karter Kompakt」(右)

このほか、高いところの荷物を搬送できるフォークリフト型の「住友ナコ Pickio AMR」を住友ナコフォークリフトと共同開発中です。

平置きピッキングからトラック積み込みまでできる「住友ナコ Pickio AMR」

平置きピッキングからトラック積み込みまでできる「住友ナコ Pickio AMR」

これらのパワフルなロボットが働く姿を想像すると、「頭脳労働はAIに、力仕事はロボットに」という世界が近づいてきているのを感じます。

ロボットが建物内で働く場合は、設備との連携が欠かせません。その点、建設会社は建物の設備に最も関われる立ち位置にいるので、その気になればロボット導入ビジネスは有望な成長分野になりそうですね。

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