管理人のイエイリです。
工事現場では、多くの下請け会社が多重下請け構造で入っているため、現場内の指示命令系統が複雑になっています。
例えば、内装工事一つをとっても、床や壁、天井、建具などの各部分を施工する二次下請け会社が違っている場合もあるため、現場で働いている作業員に直接、作業の指示を出しても、契約している一次下請け会社は「聞いてないよ」ということになりかねません。
そこでクラウドタイプの建築図面・現場管理アプリ「SPIDERPLUS」を開発、販売するスパイダープラス(本社:東京都港区)は、現場内のコミュニケーショントラブルに着目し、業界初の機能を開発。2022年8月に特許を取得しました。
アプリに表示される現場の図面を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
施工体系図と連動
させ、施工体系に基づいた作業指示と完了報告が行えるようにしたのです。(スパイダープラスのプレスリリースはこちら)
これまでの作業指示や報告は、口頭や電話、紙でやりとりされていたため、非効率やコミュニケーションのトラブルも発生していました。
そこで、図面上に作業指示と完了報告を重ねて配置しておくことで、図面の各部分と施工体系に基づいた施工管理の状況がクリアになり、業務効率が高まりそうですね。
業界初となるこの発明は、開発中の新サービス「SPIDERPLUS PARTNER」に実装され、現場内の職務の関係性に従って、文字のほか図面や写真を活用した作業指示が行えるようにします。
現在、「SPIDERPLUS PARTNERS」は一部のユーザーに限定公開し、フィールドテストや機能改善を進めており、近く正式に発売する予定です。
今回の特許は、権利範囲が非常に広く、基本特許とも言えます。
この特許取得を、投資家も高く評価し、プレスリリースが発表された2022年9月7日の翌日である9月8日には、買い手が多すぎて
株価がストップ高
になったのです。
9月9日の朝も、売り手は少ない気配なので、さらに株価がアップする可能性もあります。(Yahoo! 株価のスパイダープラスのページはこちら)
建設業の生産性向上はまず、「移動のムダ」削減に注目が集まり、SPIDERPLUSのようなクラウドタイプの施工管理システムが人気を集めています。
これからは工程に潜む「手戻りのムダ」や「手待ちのムダ」、「トラブル解決のムダ」など、様々な見えにくいムダを見える化して改善し、生産性向上を高める時代に入っていきそうです。
施工体系図と図面の連携に着目したスパイダープラスの発明は、今後、建設業が進むべき生産性向上の方向性を示していると言えそうです。