管理人のイエイリです。
まるで人間が答えるように、自然な言葉で質問に答えてくれるチャットAI(人工知能)、「ChatGPT」に専門的な知識を教え込み、建築や不動産関連の質問に、専門家として回答してくれるシステムが水面下で開発されています。
例えば、mign(本社:東京都文京区)は、Chat-GPTの言語モデル「GPT-3 davinchi」に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
計429の建設関連法規
の全条文や、5016の見出し、そして対応する約65万文字の条項号を学習させて、「chact」を開発したのです。(mignのプレスリリースはこちら)
この“大量学習”は、驚異的な結果をもたらしました。
例えば、「東京都でのトンネル工事に関連する規制を教えてください」という質問に対して、生のChat-GPTはズレた回答をしていましたが、建設法規の学習後は条文を踏まえた端的で的を射た回答をするようになったのです。
■ 結果の例 質問: 東京都でのトンネル工事に関連する規制を教えてください。 学習前モデル(GPT3 davinchi)による回答: Chactによる回答(建設関連法規学習済み): |
建設会社などで、このシステムを業務に利用イメージは、(1)社内システムにchactを設置する→(2)法規関連の質問があった時にchactに質問を入力する→(3)chactが即時に回答し、必要な情報を得る、という感じになります。
学習するものの対象は、建築法規に限らず、様々なQ&Aや、顧客からの問い合わせに対する回答メールの履歴などが使えます。最短、1カ月程度で提供可能とのことです。また開発したシステムをウェブサイトに埋め込むことも可能です。
気になるお値段ですが、初期セットアップ料金+月額メンテナンス料金+API利用料(1単語当たり0.02ドル)の合計となり、同社では面談後、見積もりを行うとのことです。
一方、不動産テック企業のRealty Bank(本社:札幌市中央区)は、不動産関連の様々な問い合わせに答えてくれる「不動産AIチャット」のプロトタイプ版を2023年3月に公開しました。
不動産関係の質問に、
LINE友だちとして回答
してくれるのです。(LINE友だちの追加URLはこちら)
住宅ローンの計算や不動産用語、市町村の概要、月額の平均賃料など7種類の質問には、テンプレートが用意されていますので、聞くのも簡単です。
イエイリも早速、LINEの友だちにしてもらい、住宅ローンの計算を行ってみました。
また、メールの作成や翻訳依頼、要約など一般的なことにも回答してくれます。
例えば取材依頼のメールを作りたいときは「3月25日に取材にうかがうお願い」と指定しただけで、想定される取材目的な内容まで盛り込んだメール文面を作ってくれました。ほとんどこれで使えそうですね。
「不動産AIチャット」の気になるお値段ですが、1日5回までは無料です。それ以上、本格的に使いたいときは月々880円で無制限に使えますので、リーズナブルです。
同社は2023年内にユーザー数1万人を目指して、不動産関連業者からのフィードバックや要望を取り入れ、さらに機能を充実させていく予定とのことです。