管理人のイエイリです。
nat(本社:東京都港区)が開発・運営する現場3D計測アプリ「Scanat」は、iPhone ProやiPad Proに搭載されているのLiDARという3Dスキャナー機能を使って、部屋の内部を即座に3Dデータ化するものです。(詳しくは2023年2月14日付の当ブログ参照)
その生産性向上効果は高く、natによれば2022年1月のリリース以来、ユーザーから「現場調査の時間が圧倒的に短くなった」とか、「赤字覚悟で受けた案件もScanatの活用で黒字化できた」などの声も上がっているそうです。
一方、課題としては3D間取り図データから、現場でよく使われている2D図面に直すのにひと手間かかることがありました。
この課題を解決するため、natは2023年6月1日、Scanatをメジャーアップデートした「バージョン1.1.0」をリリースしました。
新バージョンでは、現場をスキャンして作成した3Dモデルを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
2D間取り図に自動変換
する機能が付いたのです。(natのプレスリリースはこちら)
これによって、既存図面がない物件でも、現場をiPhoneやiPadでスキャンするだけで、その場で現況図が作成できますね。
出力ボタンを押すだけで、寸法入りの簡易図面をDXF形式で出力する機能も開発しています。
今回のバージョンアップでは、現場計測した3Dモデル内で計測した寸法や面積、メモの数値データやテキストを、CSV形式で瞬時に出力し、見積書や報告書の作成に使えるようにしました。
計測したデータは、用途に応じて色分けや表示/非表示を設定できます。
このほか、複数の現場で計測した3Dデータをわかりやすく管理するため、「モデルリスト画面」も改善されました。
物件の住所やメモを入力できるほか、モデルリストに表示する「アイコン」を物件ごとに3Dモード、俯瞰(ふかん)モード、内見モードから選んで表示できます。
法人プランのユーザーは、アカウントを管理者と使用者に分けて管理できるID一元管理機能も付きました。
アプリで撮影した3Dモデルから、図面を作成する「CAD図面作成代行サービス」はこれまで、居住用物件の平面図だけを対象としていましたが、
オフィスや店舗
などの平面図や立面図、天伏図の作成も可能になりました。
作成した図面は、DXF、DWG、JWWの内1種類と、PDF形式で納品されます。
今回のバージョンアップで、Scanatは人手不足に悩む建設業の課題を解決するため、3Dモデルから2D図面を作成する「ひと手間」を自動化し、図面作成を外注する場合も3Dモデルの送信によって「移動のムダ」や「計測の手間」の大幅削減を実現しました。
現況図作成業務において、かなりの生産性向上が期待できそうですね。