管理人のイエイリです。
人手不足が年々深刻化するなか、これまで人間が行ってきた作業をロボットやAI(人工知能)に行わせて、省人化や生産性向上を図る取り組みが進んでいます。
重機土工分野で、その最先端を走るのが、鹿島が開発した自動化施工システム「A4CSEL(クワッドアクセル)」です。
これまで人間によって労働集約的に行われていた建設工事に、自動運転の建設機械を導入し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
人が作業データを送るだけ
で、建設機械が定型的な作業や繰り返し作業を自動で行えるのです。(鹿島のプレスリリースはこちら)
現在、秋田県東成瀬村で施工中の成瀬ダム堤体打設工事(以下、成瀬ダム工事)では、A⁴CSELによって現地発生材とセメント、水を混合した「CSG」を無人ブルドーザーでまき出し、無人振動ローラーで締め固める作業を本格的に行っています。
省人化の点では、2022年度は15台の自動化建設機械を4人で管制しました。2023年度は自動化機械を増強し、最大20台を4人で管制する計画です。
1人で5台の建機を運転するとは、これだけで生産性は5倍に向上しますね。
さらにCSGまき出し作業の効率化という点では、AIやシミュレーションによって最適化した作業計画をリアルタイムで作成し、計画通りに施工します。
そのため、有人運転よりも動作のムダが少なく、2022年度の無人ブルドーザーによるCSGまき出し量は254.4m3/hと、有人運転の128.6m3/hの約2倍になりました。
また建機の運転精度も高まり、無人振動ローラーの走行精度は計画経路の±10cmと、有人運転の±20~50cmに比べて小さくなります。そのため、転圧時の走行レーン数も少なく、走行距離も有人運転に比べて15~25%少なくなります。
無人ブルドーザーによるCSGまき出し作業時の走行距離も、有人運転に比べて約4分の1になり、最小限の時間で作業が可能になりました。
その結果、施工に使用する燃料も減り、まき出し作業1m3当たりの燃料使用量は有人運転に比べて
40~50%削減
できたのです。その分、CO2排出量も減ることになります。
A4CSELは省人化による人手不足への対応、生産性向上、労働災害の防止のほか、CO2排出量の削減という“一石四鳥”の効果を発揮することが明らかになったわけですね。