管理人のイエイリです。
東亜建設工業は2022年3月~12月、横浜市鶴見区にある技術研究開発センターのII期整備工事の一環として、第二実験棟の2階で、内装工事の石こうボード施工の実証を行いました。(東亜建設工業のプレスリリースはこちら)
同社経営企画本部DX推進部 部長 兼DX企画課長の中野亘氏は、「この工事は自社物件なので、様々なチャレンジをさせてもらいました。当初は業務効率化だけを期待していましたが、地球環境の改善や安全面にも寄与できる素晴らしいものであると気づきました」と、この工事を振り返ります。
一体、なにがこの工事ですごかったのかというと、上記の写真で、赤枠で囲んだ石こうボードの部分やそれを取り付ける軽量鉄骨部材は、事前にBIMソフト「Revit」で割り付けを行い、そのデータをもとに、
ナ、ナ、ナ、ナント、
工場でプレカット加工
を行い、現場で取り付けたことなのです。(野原ホールディングスのプレスリリースはこちら)
このBIMデータの共有や交換には、野原ホールディングスのBIM設計-生産-施工支援プラットフォーム「BuildApp」を活用しました。
石こうボードは、できるだけ定尺材を多く使った方が効率的ですが、現場で取り付ける際にどうしても寸法調整を行う部材が必要になります。
従来は石こうボードやそれを取り付けるための軽量鉄骨下地材の切断を、現場に設置した高速カッターなどで行っていました。
しかし騒音や火花、粉じんが発生するだけでなく、カッターの誤操作による労働災害の原因にもなっていました。
それが、BIMによるプレカットを採用したことで、現場での軽量鉄骨下地材の施工時間は10~20%減少し、石こうボードの施工時間も1平米当たり1.5~4分減少したのです。
効果はこれだけではありません。現場で部材をカットする場合、材料が足りなくなるといけないので多めに発注し、端材も多く発生するので廃棄物も多くなりがちです。
その点、事前にBIMで割り付けしておくことで、事前に必要な建材数量を正確に把握できるので、現場での廃棄物量を、
約36~56%も削減
できることがわかったのです。現場での端材が半減したといっても過言ではないレベルです。
CO2排出量もこれに比例して、約36~60%削減することができました。
なるほど、現場では端材は大量に出るのが常識でしたが、BIMとプレカットを使って事前に部材を割り付けしておくことで、端材を最小限にすることもできるのですね。