管理人のイエイリです。
都市ガスを供給する導管の維持管理工事では、埋設管が通る部分の状況や、地面の掘削からガス導管の撤去や敷設、埋め戻しまでの一連の工事内容、場所などがわかるように、記録に残していく必要があります。
そこで東邦ガスネットワーク(本社:名古屋市熱田区)では、2022年3月からiPhone ProやiPad ProのLiDAR(ライダー)機能を使って現場を3D点群計測し、現地調査の記録や竣工図書作成を効率化する取り組みを行っています。
この作業に使っているアプリは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
あの「ANDPAD」
なのです。(アンドパッドのプレスリリースはこちら)
ANDPADと言えば、もちろん、あのアンドパッド(本社:東京都千代田区)が開発・販売するクラウド型施工管理アプリです。
両社は都市ガス導管事業の維持管理業務を効率化するための共同プロジェクトを行っており、新機能「ANDPAD 3Dスキャン」の開発に取り組んできました。
その成果が、インフラ業界での現地調査時の野帳や図面作成ツールとして活用できる「ANDPAD 3Dスキャン」のβ版として、2023年6月に発表されたのです。
「ANDPAD 3Dスキャン」は、シンプルな画面操作で現場の作業者が野帳代わりに埋設物の状況を記録できます。
画面上で寸法やメモを記入し、そのデータを「ANDPAD 図面BIM」(β版)にアップロードすることで、3Dデータをプロジェクトメンバー全員での閲覧・確認できます。
さらに、点群上に現場の写真を張り付けるテクスチャー・マッピング機能により、配管の色などがわかるので
配管の種類まで確認
することができるのです。
現場を3Dデータで記録できるので、成果品である竣工図の納品時に寸法確認のためのヒアリングや差し戻しを削減できるほか、施工時の証拠や根拠としての価値も高くなります。
β版のリリースに合わせて、両社は現場や事務所での業務改善効果を確認するため、6月から供給管工事での実地検証を開始します。
テクスチャー付きの点群画像による竣工図は、写真のようにわかりやすく、3Dデータとして寸法も記録されているので、以後の維持管理にも大いに役立ちそうです。
2024年4月からは、建設業にもいよいよ「働き方改革関連法」による時間外労働の厳格化が適用されます。iPhoneのLiDARを使った竣工図作成などによって、どのような労働時間短縮効果が出るのか、注目されますね。