管理人のイエイリです。
WEBカメラやBIM/CIM、点群処理、VR(バーチャルリアリティー)など、これからの建設現場には施工管理のために様々なクラウドシステムが導入されることが予想されます。
それに伴って、現場の最前線をインターネットに接続するための回線もしっかりと整備しなければいけません。
これまでは、有線LANやWi-Fiが使われることが一般的でしたが、広い現場内で、多数の機器が大容量の通信を安定的に行うためには、ややパワー不足な面も感じられています。
そこで、安藤ハザマ、東日本電信電話(以下、NTT東日本)、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(以下、NTTBP)は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ローカル5G
の移動基地局を現場に持ち込み、実証実験を行ったのです。(安藤ハザマのプレスリリースはこちら)
ローカル5Gとは、「超高速」、「多数同時接続」、「超低遅延・高信頼」という特徴を持った5G仕様の無線通信ネットワークを、建設現場など自前の施設内に構築するものです。
いわば“パワフルなWi-Fi”のようなシステムで、通信コストを抑えつつセキュリティー確保や広範囲な通信範囲、安定的な通信を実現できます。
今回の実験では、長さ約200m×幅約100mで、深さ約20mの広範囲掘削現場に1つのローカル5G基地局を置き、現場内の様々な部分でスムーズな通信が行えるかどうかを確かめました。
その結果、すべてのローカル5G接続地点でアプリケーションや4Kカメラが快適に利用できたほか、アンテナとの見通しがとれない掘削面でも100Mbps程度の通信速度で送受信ができました。
また、
トラックや重機の動き
にも影響されることなく、終始安定した通信ができることが確認できました。
●ローカル5Gの実証実験結果
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上記の結果内にある「スループット」とは、単位時間当たりのデータ転送量を意味しますが、4K映像の場合、カメラ1台当たり25Mbps程度のスループットが必要とのことです。障害物があっても、この数値は楽にクリアしていることがわかります。
WEBカメラやクラウドなどを多用するこれからの現場では、現場内通信の軸は持ち運び式のローカル5Gで構築し、その先はWi-Fiでカバーするという方法が、定番のソリューションになりそうですね。