イクシスと日本無線がロボットによる点群データ計測実験! ローカル5Gでデータをリアルタイム転送
2022年4月20日

管理人のイエイリです。

現場での施工管理業務をテレワーク化したり、AI(人工知能)によって自動化したりするためには、現場の状況をリアルタイムにデジタルツイン(デジタル双子)化して、クラウドで共有するという仕組みが必要になります。

そこで、イクシス(本社:神奈川県川崎市)と日本無線(本社:東京都中野区)は、日本無線 長野事業所の「先端技術センター」で、イクシスの自動巡回ロボット「i-Con Walker」を使って、現場のデータ収集を自動化する実験をこのほど行いました。

実験が行われた日本無線 長野事業所の先端技術センター(以下の写真、資料:イクシス)

実験が行われた日本無線 長野事業所の先端技術センター(以下の写真、資料:イクシス)

3Dレーザースキャナーを搭載してデータ計測を行う自動巡回ロボット「i-Con Walker」

3Dレーザースキャナーを搭載してデータ計測を行う自動巡回ロボット「i-Con Walker」

3Dレーザースキャナーやドローン(無人機)などで計測した、膨大な点群データや写真データは、USBメモリーなどでパソコンに転送することが一般的ですが、ここで使われたのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ローカル5G回線

だったのです。(イクシスのプレスリリースはこちら

イクシスは工事現場などに適したロボットやAI解析、BIM/CIMデータ連携などによる建設DX(デジタル・トランスフォーメーション)を支えるサービスを提供しています。

そのデータ量は増える一方です。また、USBメモリーなどを使ったデータ収集は、人間による“ひと手間”がかかるため、どうしてもリアルタイム性に欠けるという問題がありました。

同センターには、ローカル5G無線局が設置されているので、今回、両社がコラボして5G回線によるデータ収集の実証実験を行ったというわけです。

センターの天井には、ローカル5G回線用のアンテナが設置されており、ロボットで収集したデータをリアルタイムで送受信できる

センターの天井には、ローカル5G回線用のアンテナが設置されており、ロボットで収集したデータをリアルタイムで送受信できる

実証実験の全体イメージ

実証実験の全体イメージ

ローカル5G回線のシステム構成

ローカル5G回線のシステム構成

実験では、ロボットに搭載した3Dレーザースキャナーの大容量点群データを、ローカル5Gの高速大容量通信を使ってアップロードしました。

その結果、従来のメモリー媒体よりも素早く、リアルタイムにデータを共有できました。BIM/CIMモデルへの反映作業の省力化や時間短縮、遠隔からの点検業務の効率化やAIによるなどが実現できることを確認しました。

このほか

高精細な4K映像

や360度カメラを使った点検品質や作業性の向上も期待できそうです。

ローカル5G回線を通じてリアルタイムに送られてくるデータを遠隔で確認しているところ

ローカル5G回線を通じてリアルタイムに送られてくるデータを遠隔で確認しているところ

高品質の4K映像をAIで解析し、人の動きを分析したイメージ

高品質の4K映像をAIで解析し、人の動きを分析したイメージ

BIM/CIMモデルを使った進捗管理

BIM/CIMモデルを使った進捗管理

現場のデジタルツイン化は、大きく分けて現場のカメラやセンサーなどのデータをAIなどで処理してから共有する「エッジコンピューティング」路線と、現場の生データを大量にクラウドに集約しAIなどで進捗管理や安全管理などを行う「クラウドコンピューティング」路線があります。

前者はデータ転送量を少なくできる一方、できることが限定的になるのに対し、後者はデータ転送量は膨大になりますが、そのデータを解析するAIなどを後付けしやすいというメリットがあります。

これからの施工管理は、5G回線の普及とともに、両路線の強みを生かした自動化戦略が求められそうです。

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