管理人のイエイリです。
現場での施工管理業務をテレワーク化したり、AI(人工知能)によって自動化したりするためには、現場の状況をリアルタイムにデジタルツイン(デジタル双子)化して、クラウドで共有するという仕組みが必要になります。
そこで、イクシス(本社:神奈川県川崎市)と日本無線(本社:東京都中野区)は、日本無線 長野事業所の「先端技術センター」で、イクシスの自動巡回ロボット「i-Con Walker」を使って、現場のデータ収集を自動化する実験をこのほど行いました。
3Dレーザースキャナーやドローン(無人機)などで計測した、膨大な点群データや写真データは、USBメモリーなどでパソコンに転送することが一般的ですが、ここで使われたのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ローカル5G回線
だったのです。(イクシスのプレスリリースはこちら)
イクシスは工事現場などに適したロボットやAI解析、BIM/CIMデータ連携などによる建設DX(デジタル・トランスフォーメーション)を支えるサービスを提供しています。
そのデータ量は増える一方です。また、USBメモリーなどを使ったデータ収集は、人間による“ひと手間”がかかるため、どうしてもリアルタイム性に欠けるという問題がありました。
同センターには、ローカル5G無線局が設置されているので、今回、両社がコラボして5G回線によるデータ収集の実証実験を行ったというわけです。
実験では、ロボットに搭載した3Dレーザースキャナーの大容量点群データを、ローカル5Gの高速大容量通信を使ってアップロードしました。
その結果、従来のメモリー媒体よりも素早く、リアルタイムにデータを共有できました。BIM/CIMモデルへの反映作業の省力化や時間短縮、遠隔からの点検業務の効率化やAIによるなどが実現できることを確認しました。
このほか
高精細な4K映像
や360度カメラを使った点検品質や作業性の向上も期待できそうです。
現場のデジタルツイン化は、大きく分けて現場のカメラやセンサーなどのデータをAIなどで処理してから共有する「エッジコンピューティング」路線と、現場の生データを大量にクラウドに集約しAIなどで進捗管理や安全管理などを行う「クラウドコンピューティング」路線があります。
前者はデータ転送量を少なくできる一方、できることが限定的になるのに対し、後者はデータ転送量は膨大になりますが、そのデータを解析するAIなどを後付けしやすいというメリットがあります。
これからの施工管理は、5G回線の普及とともに、両路線の強みを生かした自動化戦略が求められそうです。