2023年は建機の“テレワーク元年”に? コマツとEARTHBRAINが5G対応システムを量産化へ
2023年4月17日

管理人のイエイリです。

バックホーなど、建設機械の遠隔操作技術は、1990年代の雲仙普賢岳の復旧工事など危険な現場で無人化施工を行うために開発され、各地の現場で使用されています。

これまでは現場の近くから、ラジコン操作するというイメージが強かったですが、最近はインターネットや携帯回線と連携し、都道府県や国をまたぐ超遠距離からの遠隔操作も可能になってきました。

こうした流れを受けて、大手建機メーカーのコマツと、その子会社であるEARTHBRAIN(本社:東京都港区)は、建設機械向けに、

ナ、ナ、ナ、ナント、

5G対応の遠隔操作

システムを共同開発し、2023年3月から顧客への提供を開始したのです。(コマツのプレスリリースはこちら

コマツのラジコン仕様車をベースに開発した遠隔操作用のバックホー(以下の写真:コマツ、EARTHBRAIN)

コマツのラジコン仕様車をベースに開発した遠隔操作用のバックホー(以下の写真:コマツ、EARTHBRAIN)

EARTHBRAINが開発した遠隔操作用コックピット

EARTHBRAINが開発した遠隔操作用コックピット

このシステムは、雲仙普賢岳などで実績のあるコマツのラジコン仕様車をベースに開発されました。

遠隔操作の信号をラジコン操作用に変換し、信号を伝えるソフトウエアとコントローラーを新規開発しました。

遠隔操作用コックピットは、EARTHBRAINが開発しました。建機から送られてくる高精細映像で、前後左右や建機の状況を確認しながら、実際の運転席同様に臨場感のある遠隔操作が行えます。

現場映像や制御用の信号を送受信するために、NTTコミュニケーションズの協力を得て、高速・大容量・低遅延の5G回線を利用しています。

また、現場と遠隔操作の拠点は5G回線と、ドコモのクラウド基盤である「docomo MEC」と「MECダイレクト」で接続しています。

コマツとEARTHBRAINは、2023年上期をメドに、

量産に向けた検証

を完了し、段階的に市場導入を進めていく計画です。

そのため、このシステムを既に導入済みのオオノ開發(本社:愛媛県松山市)の協力を得て、技術面や安全面の最終検証を進めていくほか、ユーザーや現場ごとに異なる遠隔操作ニーズにも柔軟に対応していく予定です。

このシステムは、現場車両の稼働状況や位置情報を見える化するアプリ「Smart Construction Fleet」や、手持ちの建機に後付けしてICT施工を可能にする「Smart Construction Retrofit」との連携も可能になっており、遠隔操作がぐっと身近なものになりそうです。

これまでの遠隔操作は、人が近づけない現場で使用されることが多かったですが、今後はこのシステムを利用して現場に通勤しないで建機のオペレーターとして働く人も増えてきそうです。2023年は、建機オペレーターの“テレワーク元年”になるかもしれませんね。

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