管理人のイエイリです。
ロボットがビルの中を歩き回ったり、エレベーターに乗ったりして、人間の代わりに掃除や警備などを担ってくれる時代になりつつあります。
こんな時代に心配になるのが、人とロボットの衝突などの問題などです。
そこで東急不動産、東急コミュニティー、ソフトバンク、日建設計の4社は、ロボットと人間がスムーズに共存できるようにするため、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ロボットフレンドリー
な関係、略して“ロボフレ”はどうあるべきかの調査研究を行い、このほど発表したのです。(日建設計のプレスリリースはこちら)
この研究は、経済産業省による補助事業「令和4年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」の一環として行ったものです。(報告書のダウンロードはこちら)
今回は、東急不動産が管理・運営する東京ポートシティ竹芝オフィスタワーを対象として、令和3年度の同事業で提案された「ロボフレレベル」という評価指標によって、ロボット導入を推進する際の課題と対策を検討しました。
実験の結果、廊下の曲がり角での衝突を防ぐためには、ロボット側では「角の部分を大回りする」、「角のところで警笛を鳴らす」といった対策を講じるほか、人間に対しては「床のステッカーで周知する」といった方法が有効であることがわかりました。
人間側の対策としては、床のステッカーでロボットの運行を周知した●
この研究では、ロボットと人、建物の間に発生する様々な課題を、点字ブロックや光の反射への対応といった建築上(物理環境関連)の問題と、曲がり角や混雑する通路などで人と接触するといった運用上(館内走行関連)の問題をピックアップしました。
そして、それぞれ、どの部分で対策を行うのが有効なのかを検討しました。
その結果、決定的な対策がとりづらい課題としては、エスカレーターや階段などでの
落下の危険
が浮上しました。
この課題に対しては、ロボットの禁止エリアを設定するだけでは不十分で、建物側や運用での安全対策も必要ということになりました。
エスカレーターや階段は、人にとっては最適な昇降手段ですが、ロボットにとってはその逆なので、両者が共存する環境構築が難しいということなのでしょうね。
この報告書は、人とロボットが共存する建物や施設を計画する際に、建物側に求められる設備面と、ロボット・人の側に求められる運用面をまとめたチェックリストとも言えそうです。今後、設計者のバイブルになりそうですね。