管理人のイエイリです。
住居やオフィス、商業施設などの建物に対する満足度を大きく左右するのが、トイレ設計の良しあしです。
多くの人が集まる割には便器の数が少なすぎる、男性用に比べて女性用が少ない、個室の形が悪くて出入りしにくいなど、不満を感じた経験がある人も少なくないでしょう。
上記のように、同じスペースに男性用トイレを設ける場合にも、いろいろなパターンがあることがわかります。
しかし、さまざまな条件に基づいてトイレを設計するためには、設計者のレパートリーと発想力が求められ、企画検討に時間がかかります。そのため、限られた時間では、なかなかベストなレイアウトにたどり付けません。
そこで東洋建設は、建物の条件によってトイレのレイアウトを
ナ、ナ、ナ、ナント、
生成AIで自動作成
することに成功したのです。(東洋建設のプレスリリースはこちら)
上記のレイアウト案は、テクトム(本社:東京都渋谷区)が開発した、画像生成AI(人工知能)技術によって作成しました。
縦型スペースの形や寸法と、男性用・女性用の別や個室・便器の数など、いくつかの条件を指定するだけで、複数のレイアウト案を自動作成できます。
こうした自動設計は、これまでも遺伝的アルゴリズムによって行われてきた例がありますが、美的な要素や直感的なデザイン思考に欠けることもありました。
その点、このシステムは東洋建設の熟練設計者が過去に作成した
約1400枚の図面
を、ディープラーニング(深層学習)によってAIに学習させているため、熟練設計者ならではの人間らしいデザインが可能になりました。
東洋建設は、今回の成功を受けて、テクトムのAIプラットフォーム「Tektome」を活用したトイレレイアウト自動設計AIを、「AI Design Assistant」として位置づけ、運用を開始しました。
将来的には、さまざまな用途の施設でレイアウトを自動生成できるように進化させ、単純作業をAIに任せて、設計者はよりクリエーティブな作業に集中できるようにします。
建築設計界でもいよいよ、設計者がAIを“子分”として活用し、時短や生産性向上、品質向上を実現できる時代になってきたようです。