管理人のイエイリです。
何かを問いかけると、まるで人間のようにテキストで答えを返してくれる「ChatGPT」や、2Dのイメージ画像を作ってくれる「Midjourney」など、生成AI(人工知能)の活用に対する関心が、建設業界でも急速に高まっています。
その「回答データ」は、テキストや画像だけでなく、いよいよ3Dデータまで進化してきました。
というのも、3Dカメラで建物の内部などをスキャンし、手軽に3Dモデル化してくれるあの「Matterport」のデジタルツイン作成システムを開発・運営するMatterport, Inc.(本社:米国カリフォルニア州サニーベール)が、生成AIを組み込み、操作を大幅に自動化する「Genesis」という戦略を開始したからです。(Matterportのプレスリリースはこちら)
同社はそのイメージ動画(タイトル:Matterport Announces AI Genesis)をYouTubeで公開しました。
例えば、上の3Dモデルに対して「素朴なデザインにしてみたら、どうなる?」と、言葉で入力すると、
ナ、ナ、ナ、ナント、
素朴な木目調
の家具や梁が配置されたデザイン案が数秒で自動作成されたのです。
続いて「20世紀半ばのモダンな家具を使ったようなデザインにしてみたら」と問いかけると、今度は建物の内装がシンプルになり、家具もモダンなデザインに変わりました。
さらに、生成AIによって定量的な検討も行います。上記の建物について「開放的なレイアウトにしたとき、このフロアで何人収容できるの?」と聞いたところ、
自動的に机とイス
が配置され、数秒で「95人が収容できます」という明確な答えが返ってきました。
続いて「共同作業用のスペースを追加して」と指示すると、机の配置が変更され、新たに共同作業用のスペースが追加されました。
上記の機能は、生成AIとMatterportを連携させた活用の一例にすぎません。
同社では、Genesisの主な用途として、今回の例のような「インテリアデザインと空間利用」のほか、「設計と建設」「エネルギー効率」「保守と修理」「安全性とセキュリティ」も挙げています。
この感じだと、生成AIは今後そう遠くないうちに、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)、点群データ処理など、様々な3Dソフトによる設計や施工管理の自動化も実現していきそうですね。