小型ドローンで鉄道インフラをデジタルツイン化! JR東日本が“現場に行かない施設管理”を推進
2023年6月27日

管理人のイエイリです。

東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)では、鉄道施設の改良や新設を行うたびに、多くの社員が現場に出向き、設備を計測・記録していました。

しかし人手不足の昨今、多くの社員が手作業で現場を記録する作業は、業務への負担が大きいですね。

これまでの現地計測の様子(以下の写真、資料:Liberaware)

これまでの現地計測の様子(以下の写真、資料:Liberaware)

そこで同社は、Calta(本社:東京都港区)が開発したアプリ「TRANCITY」を活用。鉄道施設を写真や点群データなどでデジタルツイン化し、クラウド上で情報共有することで、計測作業や帳票作成作業の省力化を進めています。

現場の写真や点群データなどをTRANCITYにアップロードし、クラウド上で共有する施設管理のイメージ

現場の写真や点群データなどをTRANCITYにアップロードし、クラウド上で共有する施設管理のイメージ

現場を記録する強力な目となるのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

屋内点検用小型ドローン

IBIS2」なのです。(Liberawreのプレスリリースはこちら

鉄道施設点検の目となる小型ドローン。機体寸法は194×198.5×58mm、機体重量はバッテリー込みで243g

鉄道施設点検の目となる小型ドローン。機体寸法は194×198.5×58mm、機体重量はバッテリー込みで243g

機体寸法は194×198.5×58mmと、手のひらに載るくらいのサイズです。超高感度の超広角カメラや調光可能な2基の強力LEDライトが搭載されているほか、最大40gの機器が搭載できます。

従来の機種に比べて揚力がアップし、飛行時間も最大11分と1.4倍に伸びました。

さらに、防水・防塵性能があり、-5℃~60℃までの環境で飛行できます。上下反転した状態からも飛行可能なので、万一、墜落した場合のリカバリーも可能と、相当タフな仕様になっています。

小型のため、狭小な空間でも難なく飛行できる。撮影協力:日本リーテック

小型のため、狭小な空間でも難なく飛行できる。撮影協力:日本リーテック

暗い場所で撮影した写真(左)。赤枠内をサーモグラフィーで温度解析した例(右)

暗い場所で撮影した写真(左)。赤枠内をサーモグラフィーで温度解析した例(右)

ドローンやスマートフォン、360度カメラなどで撮影した動画をTRANCITYにアップロードすると、点群データが自動的に作成され、電子地図上に表示されます。

建物などのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データと点群を重ねて表示したり、時系列で管理したりすることも可能です。

360度カメラで撮影した動画からも点群データが作成できる

360度カメラで撮影した動画からも点群データが作成できる

高精度が必要な場合は、3Dレーザースキャナーで点群計測を行い、TRANCITYにアップできる

高精度が必要な場合は、3Dレーザースキャナーで点群計測を行い、TRANCITYにアップできる

TRANCITYで共有した点群データ上で寸法や角度などを計測することができる

TRANCITYで共有した点群データ上で寸法や角度などを計測することができる

人海戦術で測っていたホーム上などの寸法もクラウド上で計測できる

人海戦術で測っていたホーム上などの寸法もクラウド上で計測できる

これらのドローンやTRANCITYを使って現場をデジタルツイン化しておけば、多数の人は

現場に行かない

施設管理が可能になります。移動のムダを削減し、正味の業務に充てられるので、大幅な生産性向上が期待できそうですね。

現場に行かない施設管理のイメージ

現場に行かない施設管理のイメージ

今回、JR東日本が鉄道施設管理のDX(デジタル・トランスフォーメーション)が実現できたのは、同社のほかCalta(本社:東京都港区)、Liberaware(本社:千葉市中央区)、JR東日本コンサルタンツ(本社:東京都品川区)が共同で、「IBIS2」と「TRANCITY」のアップグレードを行ったからです。

「IBIS2」は2023年6月26日に、「TRANCITY」は同7月1日に発売されます。JR東日本のように“現場に行かない施設管理”に興味のある方は、Calta、Liberaware、JR東日本コンサルタンツの各社に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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