UR都市機構が日本初の集合住宅用BIMガイドラインを公開! 設計に使えるBIMデータも付属
2023年6月1日

管理人のイエイリです。

都市再生機構(所在地:神奈川県横浜市。以下、UR都市機構)は、2021年3月19日に閣議決定された「住生活基本計画」の目標1に掲げられている「新技術を活用した住宅の生産・管理プロセスのデジタル化推進」を実現するため、集合住宅へのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)導入による生産性向上に向けた研究を進めてきました。

この研究は、工学院大学建築学部の岩村雅人教授の協力を得て、日本設計(本社:東京都港区)とUR都市機構が共同で実施したものです。

工学院大学建築学部の岩村雅人教授(写真:家入龍太)

工学院大学建築学部の岩村雅人教授(写真:家入龍太)

その研究で得られた知見が、

ナ、ナ、ナ、ナント、

集合住宅では初

となる設計BIMガイドラインとBIMデータとして、UR都市機構のウェブサイトで公開されたのです。(UR都市機構のプレスリリースはこちら

公開された「集合住宅設計BIMガイドライン」のイメージ。341ページにも上る充実した内容だ(以下の資料:UR都市機構)

公開された「集合住宅設計BIMガイドライン」のイメージ。341ページにも上る充実した内容だ(以下の資料:UR都市機構)

この設計BIMガイドラインは、発注者と設計者の双方が円滑に設計BIMを進めるためのワークフローを改善することを目的に作られました。

設計BIMの実務で使用する業務委託契約書のひな形やサンプルデータも掲載しています。

企画から実施設計までの設計ステージの考え方

企画から実施設計までの設計ステージの考え方

企画から設計段階までのワークフローと成果物の例

企画から設計段階までのワークフローと成果物の例

設計BIMでは、作成するBIMモデルの詳細度(LOD)によって、業務の質や量、作業時間が大きく異なります。そのため、成果品に対する受発注者双方の認識が、大きくずれることもありました。

このガイドラインでは、設計BIM遂行するうえで必要となる決めごとを、EIR(BIM 業務仕様書)、BEP(BIM 実行計画書)として整理し、そのひな形も掲載。業務委託契約書を構成する添付文書として活用できるようにしました。

EIRのひな形

EIRのひな形

また意匠、構造、設備の各BIMモデルを統合した「住戸設計総合図」は、これまで設計事務所によって作成方法が異なっていましたが、標準化を図るため、一般的な

一般的なUR賃貸住宅

のモデルデータを公開しました。

住宅設計総合図の例

住宅設計総合図の例

スピーディーなワークフローを実現するための即戦力として、標準住戸モデルや各設計ステージ(S1~S4)で必要となる標準住戸カタログも提示しました。

標準住戸モデル

標準住戸モデル

設計ステージごとの標準住戸カタログ

設計ステージごとの標準住戸カタログ

このほか、耐震壁付ラーメン構造の板状集合住宅の標準的な躯体モデルも用意されています。構造の仮定断面を算定した時点で、断面時用法を集計表に入れ込めば、すぐに情報をモデルに反映できます。

標準的な躯体モデル

標準的な躯体モデル

この「集合住宅設計BIMガイドライン」や説明リーフレットは下記URLからダウンロードできます。

また、UR標準BIMモデルのデータはBIMソフト「Revit」で作成されたもので、2023年6月上旬に公開予定です6月1日現在、配信希望者はメールアドレスで登録できるようになっています。

https://www.ur-net.go.jp/rd_portal/UR-BIM/index.html

集合住宅の設計にBIMを活用している設計者の方は、ぜひ、ダウンロードしてみてくださいね。

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