管理人のイエイリです。
アメリカ建築家協会日本支部(AIA Japan。所在地:東京都品川区)は、2023年5月27日、「BIMSTORM / A CHARETTE FOR ARCHITECTS AND MACHINES」と題するオンラインセミナーを開催しました。
講演したのは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使って24時間で建物を設計するコンテスト「BIMSTORM」の創始者として知られるキモン・オオヌマ氏(Kimon Onuma)と、米国一般調達局(GSA)でBIM施策を担当してきたスティーブ・ハガン(Steve Hagan)氏です。
セミナーの内容は、東京・築地市場の跡地に、架空の「AI博物館」などを、話題のチャットAI「Chat GPT」や画像生成AI「Midjourney」、そして自動化されたBIMを使って設計するというものです。
このセミナーでは、AIに様々なテキストで指示し、設計業務を進めていく“プロンプト・アーキテクト”という新職種の誕生を予言し、そのスピード設計ぶりが紹介されました。
例えば、プロンプト・アーキテクトの手法を使うと、上記のような学校施設の規模や必要な部屋数などを計画し、BIMで概略のマスモデルを作るのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
たった10分間
でできるというのです。
その内訳は、Chat GPTに「700人が学ぶキャンパスに必要な建築計画を作れ」と指示して諸室の一覧表を作るのに1分、「Program2BIM」というデータベースから家具付きの諸室のBIMモデルを取り出すのに3分、そして「Onuma System」によってマスモデルを作り、グーグルアース上に建てるのに6分というものです。
セミナーでは、その過程を参加者自らがスマホを操作しながら体験しました。
例えば、建築計画の作成はスマホ版のChat GPTに「400人が学ぶ小学校の建築計画を作れ」と入力します。すると、Chat GPTはすかさず「Sure」と答えて、表形式の諸室一覧表を作ってくれました。
各諸室の種類や規模に応じたBIMモデルは、 「Program2BIM」というデータベースサイトからダウンロードします。
このデータベースサイトには、オフィスビルや医療施設、学校などの建物別に、標準的な家具や什器が付いた「BIMモデルのもと」が用意されており、それぞれ必要な数を入力してダウンロードできるようになっています。実習では手作業で行いました。これをプログラムで自動化し、諸室一覧表連携して必要な部屋をダウンロードすると数分で完了できるようです。
そして、これらの諸室BIMモデルをオオヌマ氏が以前から開発している「Onuma System」を使って自動的に立体配置するとマスモデルが完成します。
後は、BIMソフト上で各部屋の配置や形などを修正し、設備や構造などを入力してBIMモデルとして仕上げていきます。
一方、画像生成IT「Midjourney」による意匠設計もスピード感あふれるものでした。建物のイメージや視点、周囲の状況などを「プロンプト」部分にテキスト入力するだけで、様々なデザインが瞬時に作られるのです。
例えば、AI博物館の外観をデザインするのに「ギリシャ・アテネのパルテノン神殿風で、夕暮れのドラマチックな照明や空をフォトリアリステックに」「東京のウオーターフロントで、
フランク・ゲーリー風
の建物にしてほしい」などと指示するとそれらしいデザイン画像が出てきます。
また、有名建築家がざっくりと作ったスケッチを入力して、それをもとに具体的な建物のCGイメージを作ることもできます。
このほか、「設計中の建物から外を見たところ」など、様々な位置、角度からの眺めをイメージ画像化することも可能です。
試しに、イエイリも40階建ての丸みを帯びたビルのイメージを、Midjourneyに作らせてみましたが、下記のようなリアリティーに欠けたものがいろいろと出てきました。まだまだ「プロンプト力」が足りないようですね。
この2時間に及ぶオンラインセミナーを見たい方は、「BIMStorm」のウェブサイトの「A Charrette for Architects and Machines」というコーナーに、録画ファイルが公開されています。ご興味のある方はぜひ、ご覧くださいね。